「いっつぁん」が駆ったブルドッグ【3】「F1のテクノロジーが搭載されたシティターボⅡ。最高出力110psのハイパワーを叩き出す小さなモンスター|1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ

ターボⅡの場合、前期はスピードメーターがデジタルとなるが、後期はオーソドックスな大型2眼を採用。中央にはグラフィック・ターボメーターが備わる

【1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ Vol.3】

【画像19枚】フルノーマルのインパネまわり。3本スポークの中心部がアルミ調となる小径超太グリップステアリングはターボⅡ専用装備。室内の状態もミントコンディション

シティターボとの最大の違いは空冷式インタークーラーを装着した点。吸入空気の温度を下げることで体積を縮小、空気密度を高めてシリンダーへの充填効率を高めるインタークーラーはF1テクノロジーのフィードバックだ。

これにより、無鉛ガソリン車で世界最高の過給圧0.85kg/cm2という数値を達成。さらにエンジン自体にも変更が加えられ、燃焼室形状を専用設計し、アンチノック性能をさらに向上させたニューコンバックスエンジンを採用。

これらにより1.2Lという小排気量ながら最高出力110psというハイパワーを引き出している。加えて、ターボⅡには隠し玉も用意された。それが「スクランブル・ブースト」で、エンジン回転が4000rpm以下でスロットルを全開にした場合、過給圧を10秒間、約10%もアップ。アクセルを踏み込んだ瞬間の圧倒的な加速レスポンスを見せつけるのだ。


>>ターボⅡは5速MTのみの設定。


>>ホンダの国産車で初めてスモークドガラスを採用したサンルーフはメーカーオプション設定。チルトアップのほか完全取り外しも可能で、その場合は前面のディフレクターが自動で持ち上がり、風の巻き込みを抑える。


>>後席はシートピロー(ヘッドレスト)を標準装着。さらに後席は脱着式で、バンのように荷室を使える。取り外したシートは、車外でベンチのように使うことも可能だとか。


1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ(AA)

全長×全幅×全高(mm) 3420×1625×1470
ホイールベース(mm) 2220
トレッド前/後(mm) 1400/1390
車両重量(kg) 745
エンジン型式 ER型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1231
ボア×ストローク(mm) 66.0×90.0
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 110/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 16.3/3000
変速比 1速2.916/2速1.764/3速1.181/
4速0.846/5速0.655/後退2.916
最終減速比 4.066
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 185/60R13(前後とも)
発売当時価格 127.8万円

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【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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