2人のFFライトウエイトスポーツ【3】ミッドシップとなって劇中に登場するも!?|1983年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i【3】

低いボンネットとスラントノーズを生かすために採用されたセミリトラクタブルライト。後期では異形の固定式に変更されてしまった

【1983年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i Vol.3】

【画像16枚】ボディサイドのデカールもコンディションは非常にいい

なお、デビュー翌年には名機の呼び声高い1.6L DOHCのZC型も追加。800kg前後のボディにハイパワーエンジンの組み合わせは強烈で、モータースポーツシーンでも活躍した。

そして87年にはフルモデルチェンジし、バラードスポーツのサブネームが外れて「CR-X」に名称を変更。「サイバーCR-X」の愛称で、今でもファンから愛されている。

さて、フィアットX1/9やトヨタMR2が、FFのシャシーを前後反転させて開発されたミッドシップということは、多くの読者がご存じのことだろう。



ゼロヨンのスペシャリストたちを相手に正面から立ち向かっても勝ち目はない……。こう考えた風見は軽さに着目し、CR-XでゼロヨンGP優勝を狙う。しかも、ゼロヨンに不利なターボをドッキングし、ミッドシップに改造するという離れ技を成し遂げたのだ。

しかしCR-Xミッドは練習走行時に、スピードパンサーの手によって盗まれてしまう。そこで美酒蘭の南条久子が車両を提供し(アニメでは那智)、再び製作することになった。しかも今度は盗まれた車両を超えるため、1652㏄までボアアップ。その結果、20psアップの270psを達成。こうして完成した新生CR-Xミッドは、スピードパンサーを見ごと打ち負かしたのである。

バラードスポーツCR-X 1.5i(AF)

全長×全幅×全高(㎜) 3675×1625×1290
ホイールベース(㎜)  2200
トレッド前/後(㎜) 1400/1415
車両重量(㎏)  825
エンジン型式  EW型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1488
ボア×ストローク(㎜) 74.0×86.5
圧縮比8.7:1
最高出力(ps/rpm) 110/5800
最大トルク(㎏-m/rpm) 13.8/4500
変速比 1速2.380/2速1.560/3速0.911
後退1.954
最終減速比 3.588
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トレーリングリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 175/70R13(前後とも)
発売当時価格 143.0万円

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【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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