L10A【3】親子でつなぐ復活のロータリーサウンド! メカ関係はオーナー、外観や内装は息子さんがメンテナンス|1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A

小ささが特徴の10A型ロータリーエンジンを搭載。低重心を追求し、前車軸より後ろに置かれている。後期型とはラジエター部が異なる

【2】から続く

取材車両のオーナーはコスモスポーツに長年憧れを抱いており、60歳を機に購入。しかし間もなくエンジンブローを起こし苦労の日々を過ごした。エンジンが復活したのは購入からなんと9年後。現在は快調なエンジン音を奏でている。

【マツダの100年 1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A vol.3】

 快適に走ることを第一に考えてきたオーナー。今ではクルマのコンディションを保つために、頻繁にエンジンを掛けることが日課となった。現在、エンジンは4機目となり、2つのローターは、新品のハウジングに交換された。

 実は息子さんもコスモスポーツのメンテナンスに一役買っているという。メカ関係を父親が見る代わりに、外観や内装を息子さんが担当している親子で古いクルマのイベントなどに参加した後は、息子さんがきれいに掃除する姿があるという。

 2018年には息子さん主導で、ボディの修復が行われた。なんとフェンダー部分の塗装は5層になっているほど厚化粧の状態。塗装下からサビが浮いていた個所など、徹底的に補修され、現在の姿になった。エンジン、ボディ、親子の思いが1つになり、すばらしいコスモスポーツが復活したのだ。

【画像16枚】ドアパネルのプレスラインなど、細かい造形的効果が随所にみられる。プロトタイプでCピラーに付けられていたエンブレムは市販車には装着されなかった。フェンダーミラーも世代によって異なる。フルメッキは前期型のあかし



>>リアバンパー上部へ「MAZDA」のエンブレム。トランクリッドの奥に給油口が位置していた。右側にあるのは伸縮式のアンテナ。

OWNER’S VOICE

快適に走れるようにエンジンチェックを

長い間、エンジンの不調に悩んだオーナー。現在はエンジンの調子もよく、快適なドライビングを楽しんでいる。家族とイベントに参加することも多く、数年前のオーナーズミーティングでは、40台以上のコスモスポーツが集まったのが印象的だったという。ボディのメンテナンスは息子さんに譲り、親子でコスモスポーツを楽しむ。


>> コスモスポーツのオーナー。オーナーミーティングへ出席したり息子さんとメンテナンスを楽しんだりと、今でもコスモスポーツは生活の一部になっている。
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主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年型 マツダ コスモスポーツ L10A

全長 4140mm
全幅 1595mm
全高 1165mm
ホイールベース 2200mm
トレッド前/後 1250/1240mm
最低地上高 125mm
室内長 860mm
室内幅 1300mm
室内高 990mm
車両重量 940kg
乗車定員 2名
0→400加速 16.3秒
最高速度 185km/h
登坂能力 sinθ0.524
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491cc×2
圧縮比 9.4:1
最高出力 110ps/7000rpm
最大トルク 13.3kg-m/3500rpm
変速比 1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/後退3.389
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 57L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ウイッシュボーンボールジョイント・コイル/ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ 前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格 148万円

【1】【2】から続く

1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

TEXT:Keishi Watanabe/渡辺圭史 PHOTO:Ryota Sato/佐藤亮太

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