マツダはボディの着せ替え可能のスポーツカー、ル・マン24時間のレースカーを展示|第27回東京モーターショー1987 スズキ、マツダ編【2】

MX-04|パワーユニットは、新世代の2ローター・ロータリーエンジンだ。直噴システムなどを採用し、環境性能も高かった

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日本だけでなく海外からの来場客が増え始め、どこの出展ブースも気合いが入った第27回ショー。軽自動車が主力のスズキはスポーツモデルの投入や、鮮やかなイエローのボディカラーをまとうSUVを展示し盛況した。

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 ショーカーで大胆な提案を行ったのがマツダだ。ロータリーエンジン搭載のコスモスポーツを発売して20年の節目を迎えたマツダは、独創的なモジュラースポーツカーのMX‐04を送り込んでいる。ボディを簡単に着せ替えできるのが最大の特徴で、クーペが基本だが、ルーフやクオーターピラーだけでなくドアやフロントスクリーンなども取り外し可能とした。

 オープンタイプも2種類あり、フェンダーも換えられるから、簡単に別のテイストのクルマに変身させることができる。ちなみに駆動方式は、ファミリア4WDの技術を用いたフルタイム4WDだ。外観デザインにも後のロードスターの雰囲気を感じる。

 注目のパワーユニットは、新しいメカニズムを随所に盛り込んだ2ローターのロータリーエンジンだ。「RE10X」と名付けた新世代ロータリーで、直噴システムによる層状化燃焼などを採用し、実用域のドライバビリティーと燃費、排ガス浄化性能などを向上させている。また、エンジンの搭載位置も低くして運動性能を向上させた。

 商用車館には「PAIR」と呼ぶ独創的なミニトレーラーシステムを展示している。注目したいのはボディサイズだ。軽自動車よりコンパクト設計で、ガルウイング式ドアを備えたトレーラー部分も驚くほど小さい。ショーでは生活充実世代のライフスタッフをうたい、衣装などを運ぶサービスカーとして展示していた。が、盛り上がりつつあったレジャービークルとしても無理なく使いこなせるだろう。これ以外では、カペラのキャンバストップ仕様が参考出品されていた。いい仕上がりだったが、商品化は実現しなかった。
【画像11枚】マツダブースの様子。MX-04を中心に華やかな展示をし、来場客で溢れた



>>マツダ757|ル・マン24時間レースを制するためにマツダが開発した本格派グループCカーの第1段だ。654ccのローターを3連装し、1987年のル・マンでは7位に食い込む。



>>マツダ商用車|商用車館にマツダは、ボンゴなどのワンボックスやカペラ、ファミリアのライトバンなどを展示した。乗用車館と比べると華やかさは乏しいが、マニアックな展示だった。商用車館の主役である「ペア」は、軽自動車クラスの都市型トレーラーシステムの提案モデルだ。

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コンセプトカー&ショーモデル 第27回 東京モーターショー1987 マツダ、スズキ編(全2記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT:HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 PHOTO:JAMA/一般社団法人 日本自動車工業会

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