「稲村ジェーン」とスバル360の 大貴誠的「切っても切れない関係」|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第17回

今回の宿は鎌倉ゲストハウス。レディーバード「スバル360」と古い料亭を改造した宿の前で!



レディーバードで鎌倉あたりを走っていた時、突然、大貴誠が


私、『稲村ジェーン』が大好きだった




と言いだした。サザンオールスターズの桑田佳祐さんが監督した、湘南の海を舞台にした映画です。




どこが好きだったのかを聞いてみると、「サーフボードを載せたミゼットが、ガタゴト走っていくシーンと、見覚えのある湘南の海と、とにかく音楽がよかったの! 
それが頭の中に残っていて忘れられない」
のだそうです。

稲村ジェーン・・・冬の湘南。「海・江ノ島・富士山」の3セットがバーン。江ノ電もやってきて、ザ・稲村ジェーンな景色 


封切りが1990年。ちょうど、大貴誠がスバル360を「ふと本屋で手に取ったノスヒロ誌上で『発見』して夢中になった」頃。
この映画もなんだかわくわくしそう、と思って見に行ってみたら、予想通りすごく好きな世界で、いつか

スバル360
で、映画に流れていた曲を聴きながら、稲村ヶ崎を走りたいと思うようになったのです。





それなら映画のとおりミゼットで走りたいってことになりそうですが……そこで「スバル360で!」ってことになるのが大貴誠です。

 レディーバードには、車載AMラジオにiPodを接続できるシステム「MUDIO(ミュージオ)」が搭載されてるので、いろんな曲でクルマを走らせてきましたが、「稲村ジェーン」のサントラで走り出すと、これが今まで聴いたどんな曲よりもクルマに「合う!」。



昭和のトランジスターラジオみたいなスピーカーから、雑音混じりに聞こえてくる



♪♪
愛しちゃったのよ、ラララン♪」
 
や、マンボやラテンやスペイン歌謡が、カッコイイような懐かしいような、このクルマにはこのBGMしかない、というぐらいバッチリ合う。「もう想像どおり。ミュージオをつけた時からやりたかったんだけど、すぐやらないでとっておいたの」



♪ 



というぐらい「稲村ジェーン旅」に思い入れがあった大貴誠、

もう、

うれしくてニンマリです。



・・・・・・・・・



「映画のロケ地を探して巡って同じようにクルマを走らせる」のかと思ったら、

やっぱり、そんなわけがない。


「あの映画を見て曲を聴いてアタマの中でできあがった素敵な景色を探しに行く!」。

アタマの中の景色? どこ? 


どうやって?


海辺にたたずんでいたら、手乗りカモメがやってきた

 さすがに稲村ヶ崎には行くことにして、あとは気の向くまま鎌倉の町、
 路地、そのまた奥の細道まで、レディーバードで入ってみよう。




そうすれば、いい匂いのする場所が「ここに来てみて」と呼んでくれるに違いない、と。

そしてきっちり見つけてきましたよ


 名所の切り通しを抜けると、

飛び出してくる稲村ヶ崎、江ノ島と富士山、江ノ電。

そんな風景の中にはさまってくる、住宅地の路地の隙間で即売している三浦野菜や、
ゲストハウスの囲炉裏で焼いた焼き芋と会話、



清水湯 創業60年の伝統あるお風呂屋。思わずお風呂に入ってしまいました。お湯が熱い!昔からずっと45度の熱さ。


創業60年・熱めの湯を貫く銭湯、なぜか早朝の禅寺の座禅。


禅寺・・北鎌倉駅からすぐの円覚寺。1時間無心に。



一見関係なさそうな、

そんなモノたちが、スバル360が元気に走っていた頃の、
大貴誠の大好きな日本の風景と、全部つながって見えたのです。

「稲村ジェーン」のサントラに乗って。

 鎌倉の町は、古いけど古びてなくて、その横にふつうに新しいものもある。
共存している。40年前のクルマを手入れして可愛がって大事に乗り回す大貴誠が、すごくいい気持ちになれる町です。

それに、鎌倉にいるレディーバードは、すごく似合ってたんですよ。

潮風にあたりまくったレディーバード。洗車場で水洗い。あーさっぱりした!!




本当に鎌倉の皆さまに頭が下がりました。

鎌倉ゲストハウス前


町って、自分たちでつくるものだと改めて教えてもらいました。



大貴 誠(だいき・まこと) OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでいた日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅する予定。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)s04_profile

text:Rueka Aoki/青木るえか photo:Rumi Matsushita/松下るみ

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