横浜の道でつくるヨコハマサンドイッチの旅|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第3回 前編

名瀬道路沿いに突然現れるトンネル。何かと思うと、これが小学校の入口なのです。ずっと興味津々で、ついにトンネルと一緒に記念撮影敢行。門を開けてくれた人は先生だったのかな? あの時はありがとうございました。

2011年の夏、レディーバードに乗っていて初めての「大トラブル」に遭遇。でもそんなトラブルを乗り越えて大貴誠はますますレディーバードと仲良くなった。クルマのことも考えて、今回は「近くにある素敵なもの探し」。それは横浜。あんまり知られていない横浜をお見せしましょう。

人物 大貴誠
大貴 誠(だいき・まこと)  OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでい
た日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅す
る。2019年の現在も継続中。



 ある夜、軽快にスバル360を走らせていた大貴誠。猛暑にもへこたれることなく走ってくれた可愛いレディーバードを、交差点の赤信号で止めようとしたら静かにエンスト。慌てずエンジンをかけようとして……「あれ?」。
 ピクリとも動かなくなってしまった! 何をどうやってもエンジンがかからない。後続車に迷惑なのでクルマを押して脇によける。いくら腕力に自信があるといっても女性の細腕でも押して動かせるスバル360はスゴイ! とますますレディーバードへの愛が深まった大貴誠。しかし夜も遅くなり、車道の端とはいえ愛を語り合い続けるわけにもいかず、JAFに出動願ってその日はなんとか帰宅。


 しばらく車庫でいろいろ自己点検をしたものの原因はわからず。加藤モータースの加藤さんに往診してもらったところ、「フューエルコックのカップ破損によるガス欠」が原因と判明。走りながらガソリンを漏らしていたと知った大貴誠、「なんてかわいそうなことしてしまったんだろう。ごめんね」とクルマに謝った。これはとんでもない事故になる可能性もあるトラブルだったのに、そんなことよりも大貴誠には「クルマをそんな目に遭わせてしまった」ことのほうが重大だったのだ。これからはもっともっと手をかけて面倒を見ることを誓ったのだった。

メンテナンス スバル360
出かけるたびに、ちょっと駐車の時にもボンネットをふいたり、エンジンをのぞいたり、オイルを足
したりはいつもやってました。でも今回はさらに「トラブル後だから」気をつかって、ひまさえあれ
ば見て回ってました。またガソリンが漏れたりしていないか、気になれば地面をのぞきこんで点検。


人物 大貴誠
点火プラグの掃除。まず感電しないようにバッテリーを外してからプラグを取り外し、金属ブラシと
針金でススをきれいに掃除してから再び装着。キーをちょっと回すだけで「ブオン!」とエンジンが
かかって超快調です。クルマのためにも、こまめにこれをやります。

 加藤さんに教わった、点火プラグの掃除などをこまめにする。フューエルコックのオイル量調節は「走ってみて、適当に締めたりゆるめたりして」という「料理人にはわかる目分量の味つけ」のような世界に感じながら、「少しきつすぎたかも」「これはゆるいかな?」と問いかけてクルマを走らせる。「また1つ、レディーバードに教えてもらった感じかな」。初めての大トラブルは、大貴誠をいっそうスバル360と仲良くさせたかもしれない。



 さて、今回の大貴誠とレディーバードの旅。そんなトラブルの後だったこともあるので、あまり遠出はしないことにした。じゃあどこに?
「それなら地元の横浜はどう? 横浜っていうと、みなとみらいとか伊勢佐木町とかのイメージもあると思うけど、実は丘が多くて緑も多いところなんだよね。最近、横浜でお気に入りの道がありまして、別に名のある道じゃないんだけど、そこには素敵なモノがちらばってるから気になるんじゃないかな。そこでそういうのを紹介したいなあと思ったわけです。でも、ただ走って紹介するだけじゃつまらないから、そこで見つけた素敵なモノを詰め込んで、何かカタチにしてみたい」。

人物 大貴誠
ハムにパン、野菜、そして『MMCコーヒー』も道沿いの工場直営店で購入。デザートはもぎたての
「浜なし」と「浜いちじく」。もちろんカップは大倉陶園。根岸森林公園の、大きな木が1本あるそ
の下の芝生の上にナプキンを敷いて、持参のまな板と包丁でパンを切りハムを切り野菜を切りチーズ
を切り……他にそんなことやってる人がいないのでけっこう目立ちまくり。そしてポットのお湯でコー
ヒーをいれ、ヨコハマサンドイッチのできあがり。


 しばらく考えていた大貴誠が出したアイデアがこれ。
「道路沿いに大倉陶園の工場があって小さな売店もあるから、食器を買おう。道沿いにあるパン工場やハム会社やコーヒー工場の直売所でも買い物をする。途中で横浜特産『浜なし』の農園に寄って梨狩りして、農家さんの直売所で野菜も買って、根岸森林公園まで行こうよ。あの広い公園の芝生の上でサンドイッチつくって、カップにコーヒーいれて、デザート。それを優雅にいただくの」名づけて「横浜の道でつくるヨコハマサンドイッチの旅」。確かにこんな横浜めぐり、見たことがないかも。


大貴誠 梨狩り
横浜市の果樹園で生産された梨が「浜なし」。品種名ではなく「横浜市で生産された梨」のブランド
名です。これが大貴誠の大好物。そのほとんどを直売所や果樹園の庭先で売るので、最高の食べ頃の
ものを買えます。


スバル360 大貴誠
大倉陶園の食器は皇室にも納められる格調高い高級品。戸塚にある工場も古いけれどよく手入れされ
て品が良く、クルマで通るたびに憧れの目で見ていました。併設のファクトリーショップでちょっと
素敵なコーヒーカップ購入。


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『某ハム工場』では定期的に「朝市」が開かれ、無添加ハムやソーセージの規格外品を格安で入手で
きるのです! 並びましたよ朝早く。そして立派なハムを格安でゲット。


人物 大貴誠
こちらは巨大なパン工場。この一角でも地元の方向けのベーカリーアウトレットで格安のパンを売っ

てます。焼きたて食パン1斤ゲット。



掲載:ノスタルジックヒーロー2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)








text:Rueka Aoki/青木るえか photo:Rumi Matsushita/松下るみ

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