積もる30年間の埃。厚い毛布を剥がすとそこには!? 世に送り出された554台、今も残る貴重な1台|エンドレスが挑む シルビア CSP311【1】

純正のアルミ削り出しフロントグリルが美しく残っている。ライトは交換され、ライト回りのプレートが外されていた

       
【エンドレスが挑む 2019年 シルビア CSP311 vol.1】

梅雨独特の湿った空気が立ち込める6月、エンドレスの工場に初代シルビアCSP331の姿があった。スタッフでさえも、その存在を確認したものは少なく、珍しそうに眺めている。世に送り出された554台のうち、貴重な1台がここにあるのだから仕方ない。

シルビアは、今まさにエンドレスのレストアを待っているという状態。この後、ボディは分解され、各パーツごとにプロフェッショナルの手に委ねられ、素晴らしい姿になって戻ってくる。もちろん、2020年の東京オートサロンへの出展を目指してのこと。

毎年続けてきたレストア事業がエンドレスの技術力と協力企業のチームとしての結束力などを示してきた。そして、クルマも集まってくるという現象を引き起こしているという。

「このシルビアはお客さんから話が入ってきました。『シルビアがあるけど』という話を聞いた時、年式を聞いたんだけど、相手がはっきりと答えなかったので、おそらく90年代ぐらいのシルビアだろうと思っていたんだよね。ものは試しでガレージに行ってみたら、初代シルビアが出てきて驚いたよ」

シルビアとの出合いを語るエンドレスの花里社長。クルマは室内保管されていて、30年間のホコリが積もっていたという。前オーナーは昭和が終わる頃、1980年代まで乗っていたようで、その後はガレージでひっそりと保管されていたという。エンドレスのスタッフがオーナーガレージに着いた時、ボディには厚い毛布がかぶせてあった。その毛布を剥がすと、ホコリの跡ははっきりと付いていたが、見た目のボディ状態は非常に良かった。

【画像23枚】貴重な初代シルビア。30年間ガレージに眠っていたが、ボディ状態は悪くなかった。リアトランクにはパーツが積み込まれていた。腐食しているものの、オリジナルライトが入っていたのはありがたい


>>美しいシルエットの初代シルビア。2ドアノッチバックスタイルを採用し、当時としては珍しい2シーター仕様。ダイヤモンドカットのようなデザインでクリスプカットを呼ばれていた。


>>ホコリがかぶってはいるが、程度のよさそうなエンジン。バッテリーからの液漏れもレストアでは問題ない。





初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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【2】へ続く

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