【FP用LZ型エンジン】ピストンサイズは謎!?  ピストンピン径は、異様に太い|珍車秘宝館 第17回 【2】

バルブ挟み角が34度のため、ピストントップは盛り上げなくても圧縮を上げられるフラットトップを採用する。バルブリセスは深く取ってある

前回、初お披露目となった館長秘蔵のお宝ユニット、フォーミュラーパシフィック用LZ型エンジンは、いろいろと謎に包まれたユニットだったことが判明した。今回、その内部を見てみたくなった館長が、工具を手にした!

【珍車秘宝館 第17回 フォーミュラーパシフィック用LZ型エンジン vol.2】

ブロック内部を見せてもらうと、確かに、L14型は鋳物の鋳鉄ブロックだが、内壁はツルツルに磨き上げられている。もちろん、コンロッドもピカピカの鏡面仕上げになっている。当時の意気込みが感じられる魂が入ったエンジンに、見ている館長も大興奮。

「クランクは、フライホイールの取り付け面が8穴のLZ専用オプションですし、コンロッドもいわゆる幅狭タイプを鏡面仕上げにしていますね。FPのレギュレーションでは、チタンコンロッドが禁止だったので、幅狭コンロッドを使うことで軽量化し、高回転を狙っているんでしょう」と解説してくれる館長。おもむろに工具を手に、コンロッドキャップを取り外しだした。

「思わずコンロッドメタルの状態を確認したくなって、ハズしちゃいました。入手する際に、オーバーホール後、ほとんど使用していないと聞いていましたが、メタルの状態はまったく問題ありません。このままクルマに搭載すれば、動く状態だと思います」と興奮気味に話す。

もちろん、搭載するクルマがあればの話だが、幸か不幸か今のところ搭載可能なクルマは館長の手元にはない。ただし、このままLZ型エンジンを検証していると、来週あたりにはベース車を手に入れてきてしまうかもしれない。そんなよからぬ妄想を館長がする前に、ヘッドの検証に取りかかった。その模様は次号で紹介する。

【画像10枚】内面はツルツルに磨き上げられ、当時の意気込みを時代を超えて感じることができるエンジンに、館長も興奮のご様子。L14型用としては、φ87.8㎜というピストンのサイズは謎!? ピストンピン径は、異様に太いφ23.5㎜を採用している


>> オイルパンの取り付け面に、数字が記入されている。クランクジャーナル径なのか、クリアランスなのかは不明。内側は、鋳物なので本来は黒っぽいが、磨かれているために鈍い輝きを放っていた。



>>クランクピンも確認したところ、まったく問題なし。当時のFP仕様ということで、かなり入念に組み上げられていて、クランクを回してみても、とてもスムーズに動いた。





【1】から続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

珍車秘宝館 第17回(全2記事)

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photo&text:珍車秘宝館 館長

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