ほとんど資料が残されていない! レプリカ作成の原動力となったのはあふれる情熱|日産ラリーカーマニアのバイオレットGTS仕様【3】

ステアリングは、momo製のプロトティーポでワークス同様ブラックに。リアシートは外されロールケージを組んで、スペアタイヤ置き場に

ハチマルヒーロー誌2016年7月号(VOL.36)で紹介した日産ラリーカーマニアのオーナー。その彼のクルマの中でもひときわマニア度の高い1台がこのUS110シルビア。なぜこれがそんなにマニアックなのか、彼の変態ぶりとともに紹介しよう。

【日産ラリーカーマニアのバイオレットGTS仕様 vol.3】

実は79〜81年は、510ブルーバードの時代よりも圧倒的に強かった日産ラリーの黄金時代。いつの時代も圧倒的な強さを持つクルマが存在するときはレギュレーションが変わるもの。

その移り変わりの時期に存在し、ほとんど資料も残されていないバイオレットGTS。それを作り上げる原動力となったのはノスタルジックヒーロー誌vol.36でも紹介した膨大な資料。そしてそれらを集めたオーナーの情熱。何よりもこの説明しないと一般の人にはすごさがわからないことを良しとする彼のマニア魂が、このクルマを存在させてしまっているのである。

現在、オーナーは全日本ダットサン会副会長をはじめ、クラブU12代表など数々のカークラブで重要な役割を担っている。実は彼自身は結構いい歳ではあるのだが、高齢化が進む旧車業界にとっては希少な若手。

将来旧車オーナー、旧車ファンをけん引する役割を担っているのだ。そのため仕事以外でも多忙な日々を送っているが、2014年には新たにSSS-R後期型を入手し、前期型へのモディファイを施すなど、そのラリーカーにかける情熱は全く失われていない。これからのオーナーの活躍にも注目だ。

【画像28枚】希少中の希少品であるバイオレットGTSのミニカーなども所蔵している


>>ダットサンバケットシートはレプリカ。シートベルトは4点式で、DATSUNロゴの入ったカバーを装着。


>>エンジンはノーマルのFJ20型直列4気筒2.0Lエンジンだが、ミッションは240RS用ローバック直結5速クロスに、デフは240RS純正で、ファイナルは4.625に変更。インジェクションからミクニソレックスφ44mm3型キャブレターへ変更し、公認取得している。現在はファンネル仕様だが、もともと弁当箱と呼ばれたワークスエアクリーナBOXに変更する予定だったがマスターバックと干渉して付かないことが判明。これを解決したのちに装着予定とのこと。もちろんパーツ自体は入手済みだ。


>>オーナーが参考にしたチーム・ニッサン・ヨーロッパ プレスプレゼン資料




OWNER

バイオレットGTSの存在を知ってから夢中になり、実際にクルマを作ってしまったオーナー。イベントなどでは240RSと間違われるため、その啓蒙(?)活動に熱心。



【1】【2】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産ラリーカーマニアのバイオレットGTS仕様(全3記事)

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photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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