往年のヒットアイテム。ジャパンの天井に装着したナショナルのカーコンポ「COCKPIT」|1978年式 日産 スカイライン HT 2000 GT・Lタイプ【2】

グリーンのボディカラーは、前期にしか設定のなかった希少な純正色。取材車両は、塗装の状態も良かった。

       
【1】から続く

【特集ジャパン 1978年式 日産 スカイライン HT 2000 GT・Lタイプ vol.2】

 デビュー当初のパワートレーンは、GT系が6気筒のL20型で、インジェクションとシングルキャブの2種を用意。TI系には4気筒が搭載され、L18型のインジェクションとシングルキャブ、そしてL16型を設定。翌年にはL16型およびL18型がそれぞれZ16型/Z18型に変更され、同時にL20型も昭和53年排出ガス規制に適合するようリファインされた。

 GT系とTI系では、サスペンションも異なっていた。フロントがストラットなのは全グレード共通だが、リアはGT系がセミトレーリングアームだったのに対し、TI系は4リンクを採用。また、ハコスカやケンメリと同じように、TI系のホイールベースはGT系よりも100mm短かった。

 ジャパンには新しいメカニズムや斬新な機構はなかったものの、ケンメリの後継ということもあり大きな期待が寄せられた。しかし、大きく重くなったボディや、排ガス規制のデバイスによってパワフルさを失ったエンジンなどの影響もあり、人々の評価は決して高くはなかった。また、DOHCエンジンを搭載するライバルのセリカからは「名ばかりのGT達は、道をあける」、「ツインカムを語らずに、真のGTは語れない」といったキャッチコピーで挑発され、プライドを大きく傷つけられてしまったのだ。

【画像19枚】天井に装着されている、ナショナルのカーコンポ「COCKPIT」など。飛行機のコックピット感覚で操作するオーディオは、80年前後に大ヒットしたアイテムだった


>>前期GT系には、インジェクションのL20E型とキャブレター式のL20S型が搭載されるが、GT・Lタイプのエンジンは後者。この個体は、ボディカラーに合わせてタペットカバーをグリーンに塗装済み。


>>キャブレターは、ウエーバー40DCOEに交換されていた。


>>GT・Lタイプに装着されるGTバッジは青。この他、Xタイプは金、Sタイプは赤とグレードによって色が異なっていた。



1978年式 スカイライン HT 2000 GT・Lタイプ (GC211)

全長4600mm
全幅1625mm
全高1390mm
ホイールベース2615mm
トレッド前/後1370/1350mm
車両重量1190kg
エンジン型式L20S型
エンジン種類直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比8.8:1
最高出力115/5600ps/rpm
最大トルク16.5/3600kg-m/rpm
変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/5速0.882/
後退3.657・最終減速比4.111
ステアリング形式ボールナット
サスペンション前/後ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ185/70R14(前後とも)
発売当時価格141.4万円


【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1978年式 日産 スカイライン HT 2000 GT・Lタイプ(全3記事)

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text: Rino Creative/リノクリエイティブ photo: Takashi Akamatsu/赤松 孝 Cooperation : Prince Garage Katori/プリンスガレージかとり

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