伝統と格調の高さにほれ、石原裕次郎さん自らもハンドルを握った相棒、ロールス・ロイス シルバーシャドウ|総力取材!! 西部警察車両

堂々たる風格を持つ石原裕次郎さんのロールス・ロイス シルバーシャドウ

       
ハチマルヒーロー本誌では幾度となく大ヒットテレビドラマ「西部警察」を取り上げてきた。 その際に紹介してきたクルマたちは熱心なファンが作り上げたレプリカ車両だった。それら車両とオーナーの情熱には感服するものがあり、敬意を表してあまりある。今回は満を持してドラマで使用された本物の車両が登場。2016年当時、石原裕次郎記念館の全面協力で取材した車両の数々を細部までお見せしていく。なお、小樽 石原裕次郎記念館は2017年に閉館、石原裕次郎オンライン記念館がオープンしている。

【小樽石原裕次郎記念館所蔵車両完全収録 総力取材!! ロールス・ロイス シルバーシャドウ】

 西部警察登場車両とともに、裕次郎さんが生前愛していた車を紹介していくシリーズ。

 その中の1台が、このロールス・ロイス・シルバーシャドウだ。

 シルバークラウドの後継として登場したシルバーシャドウは、ロールス・ロイス初のモノコックボディを採用。スタイリングはオーソドックスな3ボックスだが、5mオーバーの全長と1.8mを超える全幅を持ち、パルテノン神殿を模した伝統のフロントグリルが圧倒的な存在感を示している。

 インテリアも重厚なエクステリアに劣らぬ輝きを放っており、シートはレッド、天井にはホワイトのレザーが用いられ、インパネにはウォールナットのトリムがあしらわれている。その豪華かつ妖艶な雰囲気は、華々しい世界で生きてきた裕次郎さんにふさわしいものと言えるだろう。

 搭載されるエンジンはV型8気筒OHV。排気量は当初6.2Lだったが、後に6.7Lに拡大。最終的には圧縮比を下げて無鉛ガソリンに対応し、日本の51年度排ガス規制にも適合した。

 裕次郎さんの愛車だったこの個体は、6.7L排ガス規制適合の最終モデル。走行距離1万7000kmという極上車で、漆黒のボディもレッドのインテリアも状態は抜群。記念館に展示するために隅々までクリーニングされたこともあるが、コンディションの良さを見ればいかに裕次郎さんが愛していたのかが手に取るように分かるというものだ。

 そして裕次郎さんは、完全主義のロールス・ロイスの伝統と格調の高さ、そして頑強さが気に入っていたそうで、リアシートに座るだけでなく、自身でもハンドルを握って運転を楽しんでいたという。


>> 【画像10枚】シンプルなデザインながら、エッジの利いたボディラインやオーバーライダー付きのバンパーなど、高級感と品格を備えるスタイリングなど。全長は優に5mを超えるが、全幅は1.8m強とそれほど大きくない




>> フロントグリル上部にあるロールス・ロイスのマスコットは「フライングレディ」や「スピリット・オブ・エクスタシー」と呼ばれ、ロールス・ロイスの象徴となっている。






>> ウォールナットのパネルをふんだんに使い、独特の雰囲気が漂うインテリア。シフトセレクターはステアリングコラム右側に設置されている。




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>> 大きなボンネットの下に収まるのは、L410A型と呼ばれるV型8気筒6.7LOHVエンジン。1969年の排気ガス規制前モデルには、6.2Lユニットが搭載されていた。



初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ロールス・ロイス シルバーシャドウ(全1記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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