「S30」から「S31」へ。NAPSと同時ではなかった型式変更、初代フェアレディZの最終形|1977年式 日産 フェアレディZ-T【1】

初代フェアレディZのモデルライフ終盤に行われたマイナーチェンジによって誕生したS31フェアレディZ

       

【Zの名を残す者 1977年式 日産 フェアレディZ-T vol.1】

 初代フェアレディZは1969年から78年までの10年にわたって生産されたため、240Zや2by2のような新仕様の追加以外にも、デザインや仕様が変更されるマイナーチェンジが複数回行われている。ただし、マイナーチェンジが行われても基本的に車両型式の「S30」は変更されることなく継続していた。それが「S31」に変更されたのが76年、モデルライフの終盤に行われたマイナーチェンジだ。

 車両型式が変わるビッグマイナーチェンジだが、外観上の変更点は、電動リモコン式フェンダーミラーの採用に伴い、砲弾型からタルボ型のミラーに変更されたことのほかは小さい変更にとどまっている。

 エンジン自体も電子制御式燃料噴射装置やNAPS(NISSAN ANTI POLLUTION SYSTEM=排ガス浄化システム)の採用という大きな変更は前年に終わっており、この時はNAPSの性能を向上し、昭和51年排出ガス規制に対応した程度であった。しかし、長年にわたる足回りやボディの強化などによって、初代フェアレディZの完成形といえるモデルとなっている。

【画像19枚】初代フェアレディZのモデルライフ終盤に行われたマイナーチェンジによって誕生したS31フェアレディZ。L20E型エンジンでは、エンジンルーム内からコアサポートの前に移動しているエアクリーナーなど



>>ホイールはZ-T純正の14インチアルミホイールを装着。タイヤのブリヂストン・レグノGR9000も、オリジナルと同サイズの195/70R14を履いている。

>>リアコンビネーションランプは73年に変更された、バックランプが独立したツーテール形状のもの。

>>マフラーも定番のデュアルではなく純正形状にこだわって再生。

1977年式 日産 フェアレディZ-T(C-S31J)

全長4115mm
全幅1630mm
全高1295mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1355/1345mm
最低地上高150mm
室内長820mm
室内幅1390mm
室内高1075mm
車両重量1135kg
乗車定員2名
登坂能力tanθ0.46
最小回転半径4.8m
エンジン型式L20E型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比8.6:1
最高出力130ps/6000rpm
最大トルク17.0㎏-m/4400rpm
変速比1速3.321/2速2.077/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382
最終減速比4.375
燃料タンク容量65L
ステアリング形式ラックアンドピニオン
サスペンション前/後ともストラット式独立懸架・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも195/70HR14
発売当時価格171.5万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1977年式 日産 フェアレディZ-T (全3記事)


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【2】へ続く

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Jun-ichi Okumura/奧村純一

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