深掘り「ハコスカR」4ドア/2ドアHT MC前後の違いは? 初代スカイラインGT-R 全4タイプをディティール比較【1】

国産スポーツカーの代名詞であるハコスカGT-Rを徹底比較!

       

【PGC10/KPGC10ハコスカGT-Rディティール比較 vol.1】

ハコスカGT-Rは4ドアセダンで1度、2ドアハードトップで1度のマイナーチェンジを受けており、都合4世代のモデルが存在することになる。HTはそれほど大きな変更はないが、4ドアのマイナーチェンジではフロントマスクなど見た目も大きく変わっている。これら4世代の変遷を見ていこう。

【画像37枚】国産スポーツカーの代名詞となっているハコスカGT-Rの全4世代を徹底比較!

 
 レースで勝利するために開発され、送り出されたのがスカイラインのリーダーモデルたる2000GT-Rである。人々の前に姿を現したのは、1968年10月に開催された東京モーターショーの日産ブースだ。そして69年2月に正式デビューを果たしている。ご存じのように、最初のGT-Rは4ドアの2000GTをベースにしていた。前期型と呼ばれる最初の4ドアGT-Rは、ヘッドライトとグリルが分かれた3ピースデザインの個性的なフロントマスクを特徴とする。

 2000GTとの違いは、バンパーに被せたオーバーライダーを外し、ワイドタイヤを履くことを想定してリアフェンダーに刻んだサーフィンラインをホイールアーチで断ち切っていることだ。また、フェンダーミラーもメッキの砲弾型を採用した。もちろん、ドアの前などに付くエンブレム類は、GT-B譲りの栄光の赤バッジだ。リアウインドーは青ガラスから白ガラスに変更され、装飾用モールも取り去った。言うまでもないが、タコメーターは1万rpm表示の高回転タイプだ。

 

フロントマスク比較


  1969年2月に登場した4ドアのGT-Rは、ベースとなったスカイライン1500やロングノーズの2000GTと基本的には同じデザインを採用している。フロントマスクは3ピース構造で、ふたつのヘッドライトをメッキのリムで囲み、ライトの内側に長方形のグリルを組み込んだ。グリルの中央には日産を意味する「N」のオーナメントを配した。長方形のグリルの助手席側には「GT-R」のグレードバッジが付く。

 スカイラインの基準車は69年10月にマイナーチェンジを実施した。このときにフロントマスクを変えているが、GT-Rは発売から8カ月しかたっていないため、70年2月まで先延ばししている。ヘッドライトの外側からグリルまでをメッキモールで囲んだワンピースデザインのグリルを採用し、ワイド感を強調した。70年10月にGT-Rはハードトップ車をベースにするようになる。ヘッドライトの内側はメッキの幅を大きく広げ、その中をブラック仕上げのハニカムグリルとした。また、中央の「N」のオーナメントもデザインを変えている。


>>PGC10前期

>>PGC10後期

>>KPGC10 2ドアハードトップ

サイドビュー比較


 ロングノーズを強調したデザインであることが分かる。シルエットはベースとなった2000GTと同じだが、太いタイヤを履けるようにサーフィンラインを断ち切り、ホイールハウスを大きく取った。また、バンパーに付くオーバーライダーも省かれている。ワンピースグリルの後期型もシルエットは変わっていない。だが、フロントフェンダーのサイドマーカーランプや砲弾型ミラーのデザインが異なる。ハードトップGT-Rはホイールベースを70㎜切り詰め、2570㎜とした。ドアから後方のデザインは大きく異なっている。また、リアフェンダーには樹脂製のオーバーフェンダーが付く。セダンGT-Rと比べると精かんなフォルムが際立つ。フェンダーミラーのデザインも変わった。

>>PGC10前期

>>PGC10後期

>>KPGC10 2ドアハードトップ
 

フェンダーミラー比較


 4ドアのGT-Rはフェンダーに砲弾型のミラーを装備している。69年に登場した前期モデルはメッキ仕上げの砲弾型ミラーだ。これに対し後期、ステーともにツヤ消しブラック仕上げとした。ハードトップGT-Rはタルボ型デザインの黒いフェンダーミラーだ。視認性も向上している


>>PGC10前期

>>PGC10後期

>>KPGC10 2ドアハードトップ


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 Vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


ハコスカGT-Rディティール比較!(全3記事)

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text:Hideaki Kataoka/片岡 英明

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