プロになった風吹裕矢の相棒【4】ターボ不調で予選最下位からのスタート。そして|1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ|サーキットの狼世代へ

ラリーで勝利するために生まれたランチア・ストラトス。コンセプトカーとして生まれたクルマがラリーで活躍するとは、誰も予想できなかったことだろう

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

プロになった風吹の相棒
シルエットフォーミュラに挑む


【1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ Vol.4】

【3】から続く

 極端に短いホイールベースで、そのドライビングテクニックは非常にシビアであったストラトス。

 サーキットの狼の世界でも、ライセンスを取得しプロレーサーに転向した風吹のテクニックをしても、その扱いは難しかったのかもしれない。
 プロとしてレースに参戦し始めた頃、暴走族撲滅のためにチームが結成され、支援者から風吹に与えられたクルマがランチア・ストラトスだった。
 そのステアリングを握り、チームリーダーとして活躍。無謀な運転を繰り返していたクルマを追い詰め、暴走族撲滅の活躍を果たしたのだが……。

 風吹のランチア・ストラトスはレース参戦のために、大幅な改造が行われ、シルエットフォーミュラマシンへと生まれ変わった。そして、上位入賞者に対して、ヨーロッパでのレース遠征をサポートすることが決まっていたル・マン・イン・ジャパン(日光レース)に、多くのライバルとともに参戦。

 ターボ不調で、苦戦を強いられた風吹は予選最下位。決勝レースでは、テクニックを駆使して、順位を徐々に上げていき、トップに躍り出た。しかし、ゴール手間で大クラッシュ。ヨーロッパ遠征は次回へ持ち越されたのだ。


>>【画像24枚】後方下部を支点に前方が下がって収納される。スライド式のねじ式ノブの位置で開きを調整するサイドウインドーなど




>> むき出しのギアシフトなど、ストイックな印象のインテリアレイアウト。モノコックボディが室内まで張り出しているので、足元が非常に狭くなっている。





>> インパネには各種計器が並んでいる。右からスピード、エンジン回転数、油温、油圧、水温、下の段に移って右から、燃料、電流となっている。


1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ


SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●3710×1750×1114mm
ホイールベース●2180mm
トレッド 前/後●1430mm/1460mm
車両重量●980kg
エンジン●水冷65度V型6気筒DOHC 横置きミッドシップ
総排気量●2418cc
最高出力●190ps/7000rpm
最大トルク●23.0kg-m/4000rpm
生産年●1974~191975年
生産台数●492台
生産国●イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ(全4記事)

関連記事:サーキットの狼世代へ

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【1】【2】【3】から続く

©︎池沢早人師/animedia.com text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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