中古市場に出回っているシルエイティに競技車両として使えるものが存在し得るワケがない|3代目HBシルエイティの放つ異彩【1】現・塚本ナナミ×シルエイティ×シルエイティ

頭文字Dトリビュート企画として「リアル真子」プロジェクトをスタートさせた

       

3代目HBシルエイティの放つ異彩

【頭文字Dトリビュート|塚本奈々美(現・塚本ナナミ)×シルエイティ Vol.1】

 クルマを見てドキドキする。小さい頃から持っているこの気持ちをたくさんの人にも感じてほしい! ドリフトは子供もお年寄りも、クルマに興味がない方でも楽しめて、感動を与えることができる。この競技を極めて、たくさんの方にドキドキしてもらいたい! そんな願望を持ってドリフトを始めた私、塚本奈々美。さて、やるからにはやっぱり憧れのクルマがいい!

 私が学生の時に何度も読み返してはドキドキし、影響を受けた漫画「頭文字D」。その中に出てくる佐藤真子が駆るインパクトブルーのシルエイティは、硬派でめちゃクールで昔から憧れの1台だった。しかし、もともとシルエイティは「きっずはあと」の公式車両以外には存在しないフロントスワップ車両。中古市場に出回っているシルエイティに競技車両として使えるものが存在し得るワケがない。「自分で作るしかない」と覚悟を決めたのが、今回の企画の発端だった。

 タイミング良く2015年5月に映画『新劇場版「頭文字D」Legend2‐闘走‐』の公開が決まり、私は映画のプロモーション・アンバサダーに手をあげた。そして頭文字Dトリビュート企画として「リアル真子」プロジェクトをスタートさせたのだった。

 古いクルマを競技車両にするのは大変。部品数も少なく、ベース車両の状態も悪いものが多い中、関東工業自動車大学校の協力を得て、骨格矯正や補強を重要視してシルエイティを作り上げた。

>>【画像21枚】 間瀬大会(2015年5月31日) シェイクダウンしたばかりのシルエイティで単走決勝5位、追走決勝では前大会優勝者に敗れたが、インパクトブルーの名前の通り、会場に「衝撃」を与えたデビュー戦など




>> 車両製作も修理も段取りが重要! ということで、ベース車両外観をチェックしながら大まかな段取りを決める。それにしてもこのベース車両はかなり使い込まれていましたね(笑)。






>> 外観チェックの結果、骨格部位へのダメージが疑われ、フレーム修正機で骨格寸法を測定すると「やっぱり……」という状態。競技車両という性格上、まずは真っ直ぐ走るように(横向いて走る車両ではあるが)骨格から修正。






>> 左リアフェンダーとバックパネルは、修理するよりも早いし確実ということで交換することに決定。Mスポーツ製エアロパーツをフィッティング。ホディとエアロパーツに誤差がある場合もあり、必ず塗装前にフィッティングすることが必要だ。ここまででき上がると、もう完成というゴールは見えたもの!?





>> 最終工程の塗装で問題発生。実は正確なボディーカラーがわからない(笑)。原作漫画のカラー表紙を探すが、シーンによって色が違うので、シルエイティのミニカーを調色して塗装。予想以上の仕上がりに思わずニンマリ。




>> クルマの状態を把握するための重要なメーター類はデフィ。サイドを引いた時にバーが上がりっぱなしにならないために、サイドブレーキのピンが効か なくしておくスピンターンノブはドリフト車ならではの特徴。 体をしっかりホー ルドするため重要なシートはこだわりでレカロに。



【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

塚本奈々美×シルエイティ(全2記事)

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text:NANAMI TSUKAMOTO/ 塚本奈々美 photo:DAIJIRO KORI/ 郡 大二郎

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