王道のカッコよさを突き詰めたケンメリR仕様【2】純正色のスカイラインホワイトに対して、青系に振ったホワイトをペイントした理由|1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-X

3基のφ44mmミクニソレックスに、6個の65mmカールファンネルを組み合わせる。同寸法の奥行きに合わせた遮熱板も含めて、見せる演出が施されている

       
2017年2月に開催された本誌イベント「ノスタルジック2デイズ(N2d)」の会場で、そのたたずまいに思わず目を引かれるケンメリGT‐R仕様が展示されていたのを、覚えている方もいるだろう。そのR仕様が今回の車両だ。

【1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-X Vol.2】

【1】から続く

 このケンメリGT‐R仕様では、オリジナルに忠実な仕様を再現するという考え方はもともとなかったというピットハウス代表の國領宣孝さん。
 
 今回はケンメリハードトップの王道のカッコよさを突き詰めて表現する、ということがメインコンセプトだった。 

 その中のポイントの一つがボディカラーの選定。純正色のスカイラインホワイトに対して、青系に振ったホワイトでオールペイントしてある。別な色を微妙に加えて調色してあり、そうした理由は「ケンメリのサーフィンラインが引き立って見えるようにするため」なのだ。プレスラインの下側に自然な影ができるような色調になっていて、実車を眺めるとその説明がしっかりと理解できた。

 ボディの塗色からこれほどのこだわりが盛り込まれていて、写真をご覧いただければお分かりのとおり、クルマの隅々まで各パーツの仕上げ方、セッティングの仕方に理由がある。またピットハウスはL型エンジンのチューニング、セッティングにも定評があり、快調に回るようになるその腕前を頼りにしているオーナーが全国にいる。

 ケンメリ、ハコスカ、S30フェアレディZなど、数多くのフルレストアを手がけてきた経験とノウハウがあるからこそ、たたずまいが美しく、センスのいいクルマに仕上げることができるのだ。


【画像22枚】純正品を使用している、GT-R仕様を再現するうえで欠くことのできないアルミ製のメーターパネルなど




>> 内装の仕上げにも抜かりはなく、ダッシュボードをはじめ、状態のよいパーツに置き換えられている。





>> 乗り降りのしやすさや使い勝手を考慮して、前後のシートはハードトップの純正品を装着している。アルミパネルのコンソールボックスもGT-R仕様だが、パワーウインドーを装着。






>> ドア内張りはGT-R風に加工を施すが、グレードのバッジはGTXのものを残してある。






>> 数多くのケンメリスカイラインのレストアを手がけてきたピットハウスだから出せるフォルム。ミリ単位で突き詰めた仕様や設定のノウハウが生かされている。


SHOP INFORMATION/歴代スカイラインを得意とするプロショップ



 店舗の目の前には琵琶湖が広がる、抜群のロケーションを誇る「ピットハウス」。ハコスカ、ケンメリを中心に、過去に数多くのレストアを手がけてきただけあり、スカイラインをカッコよく見せる、走らせるノウハウは、他の追随を許さない。アットホームな雰囲気の人気プロショップだ。

プレミアムカーショップ ピットハウス
〒522-0057 滋賀県彦根市八坂町899
TEL0749-28-2175 FAX0749-28-2321
営業時間 9:00~18:00 定休日 火曜
http://www.pit-house.com/

1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-X(KGC110)


■エクステリア:特別に調色したホワイトにオールペイント、前後オーバーフェンダーガンメタリック塗装)、フェンダーミラー(ブラック塗装)、GT-R純正パーツ(フロントグリル+エンブレム、リアガーニッシュ+レンズ類、角形バンパーリフレクター)、全面白ガラス(フロント合わせガラス)リアスポイラー、エンブレム類GT-R仕様
■エンジン:L28型改3.0L仕様、N42ブロック、N42ヘッド、ミクニソレックスφ44mm、カールファンネル65mm、ステンレス製等長エキゾーストマニホールド、アルミ製遮熱板、ヘッドカバー・クロームメッキ仕上げ
■点火系:永井電子機器製MDI、亀有エンジンワークス製クロームコイル、NGK製スパークプラグケーブル、ICレギュレーター入りオルタネーター
■冷却系:オリジナル3層ラジエーター
■駆動系:71Bトランスミッション(5速)、デフカバー・バフがけ仕上げ
■排気系:ステンレス製デュアルエキゾーストパイプ、φ50mmステンレス製デュアルマフラー
■サスペンション:全長調整式に交換予定
■ブレーキ:8/7ブレーキマスターシリンダーに交換、(F)タイプMキャリパー
■タイヤ:(F)アドバンネオバ(AD08)205/50R15、(R)アドバンネオバ(AD06)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポークRタイプ (F)15×8.5J、(R)15×10J


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-X(全2記事)

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【1】から続く

photo : HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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