250GTOレプリカ【4】「久しぶりに気合いを入れて組んだ」エンジンは好調|1973年式 日産 フェアレディZ

フルFRPのレプリカボディは 本物さながらの美しいフォルムを再現

       
20年以上も不動車になっていたS30Zは、なんとフェラーリ250GTOのレプリカ仕様。廃車寸前のところを救ったのは、ひとりの女性オーナーだった。機関から内外装まで見事な再生を果たし、ついにサーキットデビューまで実現している。周囲からは本物と間違われるほどの完成度を誇るレプリカと、旧車を愛してやまないオーナーの蜜月物語をお送りする。


【1973年式 日産 フェアレディZ Vol.4】

【3】から続く

 フルFRPのレプリカボディは必要な修整を加え、ボンネットは新たにFRPで製作した。足りなかった部品やエンブレム類も調達し、最後にフェラーリレッドで再塗装を施した。

 エンジンは北村鈑金でストックしてあったL28型を、改めて組み直して搭載。ヘッドの面研などで圧縮が少し上げられているそうだが、詳しい内容は企業秘密だ。基本的には下のトルクを重視し、「誰が乗っても運転しやすいクルマ」を目指して、バルタイ調整などを施してある。もともと排気量を上げずにL28型でどれだけタイムを削れるかを真剣に追求している北村さんが、「久しぶりに気合いを入れて組んだ」というエンジンは好調そのものだ。

 北村さんも認める男勝りの走りを見せるオーナーが、250GTO仕様で叩き出した富士のベストタイムは2分16秒台。10秒を切ることを目標にしており、その目標を達成するまでは次のチューニングはしてもらえないというのが、北村さんと結んだ約束だ。「次のチューニングは私の減量かな(笑)」と、オーナーは明るく笑う。

>>【画像19枚】タコ足から出口までワンオフであつらえられた排気系。ヤマハのバイク用を流用したセンター出しのメガホンテールなど





>> 北村鈑金で組み直されたL28型改を搭載。ヘッド面研などで少し圧縮が上げられている。キャブレターは、北村さんの知人の形見でもあるウエーバー45DCOEを装着。


1973年式 日産 フェアレディ Z (S30)


SPECIFICATION 諸元
エクステリア:FRP製250GTOレプリカキット、日産純正OPリアルーバー、フェラーリレッド全塗装
エンジン:L28型改
吸気系:ウエーバー45DCOE(ベンチュリー38)
排気系:タコ足&センターパイプ自作、ヤマハ製マフラー改
点火系:MDI、エビスビールコイル自作
冷却系:19段オイルクーラー
燃料系:ニスモ製電磁ポンプ
駆動系:強化クラッチ、クロモリ軽量フライホイール、FJ型用ミッション改、R200LSD(ファイナル4.1)
サスペンション:テイン製車高調自作、強化スプリング(前後10kg / mm)、ロワアーム延長加工
ブレーキ:FC3S用4ポットキャリパー流用、φ285mmベンチレーテッドディスク
インテリア:レカロ製SP-Gバケットシート、7点式ロールケージ自作
タイヤ:ヨコハマアドバンA050(F)215 / 50R15(R)225 / 50R15
ホイール:RSワタナベ(F)15×9.0J(R)15×10.0J

【5】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 フェアレディZ(全5記事)

関連記事:チューンド旧車ライフ

関連記事: フェアレディ



【1】【2】【3】から続く

text:HIDEOKOBAYASHI/小林秀雄 photo:AKIOHIRANO/平野陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING