5月16日発表/発売。タイムスリップ1967|前期型は単板からの削り出し!? レイアウトも中身も異なるインパネ【トヨタ2000GTの前期と後期、その違い。内装編】

前後期で異なるインストルメントパネル



シートにヘッドレスト装着で全高にも変化



シートは前期型、後期型とも同じものを使っている。サイズはもちろん、骨格や形状、サポート、表皮と構造や材質にも変化はない。





後期型にはヘッドレストが標準装備される。これはボルトオンで設置している。ただし、これに伴い全高や室内高が5mm高くなっている。圧迫感のないヘッドクリアランスを確保するための処置と考えられる。流麗なクーペボディを持っているからこその問題点だったといえるかも知れない。



インパネは前期型 ・ 後期型ともウォールナット仕上げ



インストルメントパネルの基本はヤマハの楽器製造の木工技術を生かしたウォールナット仕上げと豪華なものだ。前期型は単板の削り出しと贅を尽くした設定だった。





後期型は表面こそウォールナット仕上げとなっているが、合板を使っている。現代のウッドパネル設定車の多くは合板を使用しているが、すでにこのころから同様の製法が開発されていた。



前期型にはインテリアにモールが付く



ウッドパネル部分には、もう1つ違いがあり、前期型にはシルバーのモールが設定されている。






後期型はこの装飾が排除されている。スポーツカーのインテリアにモールの設定はやり過ぎ感もあって、スパルタンさは後期型に軍配が上がる。



ステアリングセンターのホーンボタンに安全対策



前期型のホーンボタンはウォールナットをあしらったウッドタイプが採用されている。これは統一感をもたらすための設定といえる。






後期型では車両法の改正や運輸省の指導による安全対策がすべての自動車に課せられていく時期と重なったことから、ホーンボタン内部にラバーを仕込んで運転者の安全性を確保している。そのため形状も材質も違うものとなっている。



ストップウォッチの廃止



コンソールのセンター部のラジオ下側も前期型と後期型では変化がある。まず前期型は角形の時計とストップウオッチが装備され、右側はアンテナの伸縮用スイッチとなっている。






後期型は丸型デザインとなり、中央に時計が装備されるだけとなっている。右側のスイッチはファンのオンオフのつまみとなっている。時計そのものは、どちらもジェコー製のものが採用されている。



ラジオのヘッドユニット変更



純正ラジオにも前期型と後期型では変化がある。まず前期型は、左右の銀色のつまみは、左側がスイッチ。右側がトーン&ボリュームとなっている。そして中央に6個並んでいるつまみは、選局調整するものとなっている。





後期型は、左右のつまみが黒となる。さらに選局調整は、ボタン式となって2つのボタンで前後させる。またFMボタンが設置されて、AMとFMを切り替えることができる。




ドアの内部機構や内側のデザインに変更あり



ドアは形状や外観上に変化はないが、内側は大きく変化する。まずドアロック解除のハンドルは、前期型はバーを回転させるタイプ、ウインドーハンドルは、前期型は小さく細いものとなっている。





ドアロック解除のハンドルは、後期型は現代的な引っ張るタイプとなっている。そしてウインドーハンドルは、後期型は使いやすさを考慮してデザイン変更と大型化している。そして取手部分は形状やモールの設定など、まったく違うものとなっている。

>>【画像34枚】リトラクタブルヘッドライトの機構が異なるなど前後期の外観上の違いも比較

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

TOYOTA 2000GT Anniversary(全3記事)


関連記事: トヨタ 2000 GT


【1】から続く

photo:ISAO YATSUI/谷井 功、RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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