フロアシフトでベンチ6名乗車! 顔は大きく変わったけれど、サイドのキャラクターラインは最終型まで同じあのクルマ|1968年式 いすゞ フローリアン デラックス

左右対称のデザインで、ベース車の雰囲気が残るインパネ回り。しかし3速コラムシフトだったミッションを、フロアシフトの5速クロスレシオミッションに換装している。

       
ベース車は、1.6L直列4気筒OHVエンジンを搭載したファミリーセダン。しかし、シャシーを共用するいすゞ117クーペの存在に着目したオーナーは、外観の印象はそのままに、中身を刷新したホットなスポーツセダンを造り上げた!

【1968年式 いすゞ フローリアン デラックス Vol.1】

 「ホットクラシックス」というシリーズは、国産旧車を個性豊かにチューニングした車両を紹介している。掲載してきたクルマの多くは、外観からチューンドカーのオーラを放っていたが、今回取り上げるいすゞフローリアンは、白のボディでごく普通の4ドアセダン然とした印象。ホットなオーラが感じられないかもしれない。しかしディテールをよく見ていくと、アッと驚く内容となっている。

  フローリアンは1967年11月にデビュー。初期型の特徴は当時珍しかった異形2灯ヘッドライトであり、取材車両もその姿をしっかり保っている。そのデザインはイタリア・トリノに本拠を置くカロッツェリア、ギア社が担当したと言われている。

 ベース車のフローリアン1600デラックスはベンチシートであり、前後ともにそのまま生かして装着する。コラムシフトからフロアシフトに変更されているが、車検証の乗車定員は6名のままでパスしている。1968年式のため、ヘッドレストも未装着でOKとなる。後付けのタコメーターはオートメーター製。クラシカルなデザインが気に入っているそうだ。

>>【画像28枚】車検証の乗車定員は6名のままでパスしている。1968年式のため、ヘッドレストも未装着でOKとなるベンチシートなど




1966年東京モーターショーでお披露目されたプロトタイプ(いすゞ117セダン)は丸形4灯ヘッドだったが、市販時には異形2灯を採用。最終型の印象が強いが、異型2灯からその後丸形4灯、角形4灯へと変化している。



6ライトのサイドウインドーを持ち、正統派セダンと言えるデザインが美しい。




フローリアンは1967年11月のデビューから1982年まで約15年間販売された、ロングセラーモデル。その間フロント、リアを中心にデザインも大きく3回変更された。取材車両は初期型であり、一番シンプルなリア回りとなる。




ボディのエンブレム。リアガーニッシュに付く車名。





ボディのエンブレム。Cピラーの下部に付くグレード名。


1968年式 いすゞ フローリアン デラックス(PA20改)
SPECIFICATIONS 諸元
●エンジン:117クーペ2000 XE用G200W型に換装。中期型DOH
C用インテークマニホールド、SUキャブ2連装。ステンレス製タコ足。
●電装系:MDI、ポイントレスキット、プラグコードなどは永井電子機器製。●冷却系:汎用電動ファン、アルミ製シュラウド装着。●サスペンション系:カヤバ製ニューSRスペシャル ショックアブソーバー(S130系クラウン用)、117クーペ用スタビライザー、フロントPF60ジェミニ用コイルスプリング、リア117クーペ用リーフスプリング。117クーペ2000 XG用LSD装着。●ブレーキ系:フロントMK63キャリパー、エンドレス特注パッド、117クーペ用ステンメッシュホース。リア117クーペ後期型用キャリパー、純正パッド。タンデムマスターシリンダー117クーペ用。
●インテリア:フロアシフト化、オートメーター製タコメーター。●タイヤ&ホイール:185/65R14 BSエコピアEX10、クロモドラ・タイプA 14×6J -22。リア5mmスペーサーを使用。

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 10月号 Vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 いすゞ フローリアン デラックス(全3記事)

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text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo:NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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