「当時の新車価格は163万円と、とても手が届く存在ではありませんでしたね」あこがれの的、GT-R|1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R

以前のパテによる補修部分はすべて板金塗装でやり直している。腐食している部分は鉄板から切り出して溶接するなど、一切妥協をすることなくレストアが行われた。

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 今回紹介するケンメリGT‐Rは、走行距離わずか2万7600km。隅々までフルレストアが施され、新車以上ともいえるコンディションを見せる。しかし、これまでの道のりは決して平坦ではなかった。

「ハコスカやケンメリが全盛の頃に青春時代を送った私にとって、Rはあこがれの的でした。しかし、当時の新車価格は163万円と、とても手が届く存在ではありませんでしたね。角張った形のクルマが好きでC130ローレルや430グロリアを乗り継ぎました」。


>>【画像32枚】 内装色はブラックで、シートはレザータイプとなっている。色あせやひび割れもなく抜群のコンディションを見せるリアシートなど


 そんなオーナーの転機となったのは、本誌の表紙を飾った1台のケンメリGT‐Rだ。美しく仕上げられた車体に目を奪われ、若い頃のRへの思いが交錯した。それからクルマを探しはじめ、2001年にこの愛車を手に入れた。



R専用の10000rpmスケールのタコメーター。レッドゾーンは7500rpmからとなる。





リクライニング機構のないバケットシートがGT-Rの専用装備。また、安全性の面から、前席には3点式シートベルトを追加装備している。



1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(KPGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4460mm
全幅 1695mm
全高 1380mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1395 / 1375mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1340mm
室内高 1125mm
車両重量 1145kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力tanθ 0.46
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 / 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 55L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム独立懸架
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 175HR14
発売当時価格 163万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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