エクステリアに負けず劣らず大胆なデザインのインパネ|1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S Vol.2

エクステリアに負けず劣らず大胆なデザインのインパネ。メータークラスター左右のサテライトスイッチは、角度調整も可能だ。

       
【1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S Vol.2】

【1】から続く

 斬新かつ未来的なジウジアーロがデザインしたスタイリングは、曲面を巧みに使ったウエッジシェイプを採用し、徹底したフラッシュサーフェス化を実現。さらに、左右のドアやボンネットなどの継ぎ目を極力少なくしたミニマムオープニング処理を施したことで、当時トップクラスのCd値0.36を達成した。また、ピアッツァの特筆すべきポイントは、原形となったアッソ・ディ・フィオーリのスタイリングがほぼそのまま受け継がれたこと。ショーモデルが市販化される際には、さまざまな理由である程度のスタイル変更を受けるのが常。しかしピアッツァは、ショーモデルとほとんど変わらない姿で登場し、世間をあっと言わせたのである。

 また、未来的なデザインに見劣りしない、当時最新の装備も取り入れられた。メモリー付きチルトステアリングやマイコン制御の車速感応型パワーステアリング、ウオッシャーノズル内蔵のウエットタイプ1本ワイパーなど、世界初や日本初といった装備が多数採用されたのだ。さらに、当初のエンジンは2L自然吸気のDOHCとSOHCの2種類だったが、DOHC車にはいすゞ初の4速ATをドッキング。加えて、折からのパワー競争に合わせて、1984年には2LSOHCターボも追加されたのである。そして、1985年にはドイツのチューナーであるイルムシャーがチューニングを施した「イルムシャー」を、1988年にはイギリスのロータスのテクノロジーが注入された「ハンドリング・バイ・ロータス」を追加し、ラインナップを強化した。

▶▶▶【 画像20枚】ライト自体は固定されており、上部のクオーターカバーのみ開閉するピアッツァの象徴となるヘッドライトなど



大径のスピード&タコの下に、水温計や油圧計などを配置する視認性に優れたメーターパネル。ターボ車の場合、左下の電圧計がブースト計に変更される。





オーディオも純正のクラリオン製のまま。以前はJVC製のジウジアーロデザインの商品を装着していたが、「ピアッツァらしさ」を優先して元に戻した。





フロントシートはバケットタイプのスポーツシート。ハイトアジャスターやサイドサポート調整機構も備わる。


1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4310×1655×1300
ホイールベース(mm)  2440
トレッド前/後(mm) 1345/1355
車両重量(kg)  1140
エンジン型式  G200型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1949
ボア×ストローク(mm) 87.0×82.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 120/5800
最大トルク(kg-m/rpm) 16.5/4000
変速比 1速 2.450 / 2速 1.450 / 3速 1.000 / 4速 0.689 / 後退 2.222
最終減速比 3.583
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/3リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 176.8万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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