子供時代にスーパーカーブームを体験し、夢をかなえたオーナー「可愛がればそれだけ応えてくれる最高の愛車」|1989年式 ポルシェ 911 ターボ フラットノーズ Vol.2

フラットノーズ特有のリトラクタブル式ヘッドライト(開状態)。

       
【1989年式 ポルシェ 911 ターボ フラットノーズ Vol.2】

【1】から続く

 今回の取材に協力いただいたのは、名作911ターボのフィナーレを飾った「特別な1台」。同時期のスポーツカーレースで活躍したグループ5カーの象徴、ポルシェ935ターボのイメージを投影し、1987〜89年に世界限定50台+αが生産されたといわれる「フラットノーズ」である。リトラクタブル式ヘッドライトを持つスラントノーズや大型エアベント付きリアフェンダーなどでスパルタンに仕立てられたボディに、後期型911ターボ用エンジンを330psまでチューンして搭載している。


【画像14枚】フラットノーズ特有のリトラクタブル式ヘッドライトを閉じた状態のカット。ノンオリジナルながら雰囲気を見事に演出したKremer(クレーマー)スタイルの大型リアスポイラーなど


 この珠玉の1台を所有するオーナーは、少年期に当たる70年代後半にわき起こった第1期スーパーカーブームの洗礼を受けたのち、最近まではR33GTーRを愛用していたという、生粋の高性能車エンスージアスト。しかし、義兄が愛用していた希少なポルシェ911(964)ターボ3.6に魅せられ、自らも特別な911を入手したいと思うに至る。そこで知ったのが、超レア車である「フラットノーズ」の存在だった。そして日本中を探してようやく探し当てたのちは、レースでも活躍した伝説のチューナー「クレーマー」風のリアスポイラーや、80年代の逸品、レカロC81シートを装着し、「ハチマル的ポルシェ」を満喫しているのだ。

OWNER’S VOICE
2014年現在、43歳のオーナーは、子供時代にスーパーカーブームを体験。さらに7年前、義兄の影響も受けて夢をかなえた。「可愛がればそれだけ応えてくれる最高の愛車」とともに、関東一円のイベントにも参加している。







豪華なブラックレザーで仕立てたインテリアでは、Ruf用のATIWE(アティヴェ)ステアリングや、80年代に一世を風靡したレカロC81シートが、いかにもハチマルな芳香を放つ。「フラットノーズ」ではC81を新車時から特注した個体もあったとされるが、このクルマには装備されていなかった。そこで現オーナーが、苦労して探し出したとのことである。





330psを発生する3.3Lターボユニットは、オーナーのもとでタービンや周辺機器をオーバーホール済み。また「定期的に動かす」ことが、好調を保つ秘訣とのことだ。



1989年式 ポルシェ 911 ターボ フラットノーズ
車台番号:WPOZZZ93ZKS0004##/走行距離:6万3500km
SPECIFIVATION 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 4300×1785×1300
●ホイールベース(mm) 2280
●トレッド前/後(mm) 1430/1450
●車両重量(kg) 1380
●エンジン種類 空冷水平対向6気筒SOHC
●総排気量(cc) 3298.8
●ボア×ストローク(mm) 97.0×74.4
●圧縮比 7.0:1
●最高出力(ps/rpm) 330ps/6000rpm
●最大トルク(kg-m/rpm) 43.8kg-m/4200rpm
●変速機 5速MT
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前 マクファーソンストラット+トーションバー
●サスペンション後 トレーリングAアーム+トーションバー
●ブレーキ前後とも ディスク
●タイヤ前/後 前225/50ZR16/後245/45ZR16
●発売当時価格 2750万円

初出:ハチマルヒーロー 2014年 05月号 vol.25(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 ポルシェ 911 ターボ フラットノーズ(全2記事)

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text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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