マニアックだけれど大事! 元祖「TC24-B1型」と新型「TC24-B1Z型」の違いをおさらい!|1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2

ベース車両は本物の240ZG。ボディのコンディションは抜群で、パワステ、クーラー付きの快適仕様にして乗るとは、かなりのゼイタクといえる。

       
ウワサのTC24をソレックス3連キャブとともに240ZGに! そう聞けば、カリカリのチューニングモデルを連想しがちだが、なんとクーラーとパワステまで付いたコンフォート仕様というから、逆に驚きだ。美しいGノーズ付きのボディを優雅に走らせるための武器としてTC24-B1Zを選ぶ。そんな新たなるL型ツインカムの楽しみ方を大公開! 


【1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2】

【1】から続く

 クルマの解説に入る前に、元祖「TC24-B1」と、新型「TC24-B1Z」の違いについて軽くおさらいする。基本的には、元祖も新TC24も同じヘッドといえる。ただし、新TC24では各部の設計が見直されており、元祖では弱点とされたブラケット式のカムホルダーとバルブ周辺のオイル潤滑が対策された。カムホルダーをキャップ式にすることでコンパクト化、メンテナンス性の向上、フリクションロスの軽減を生み出すことに成功。オイル潤滑についても、カムからのオイル給油をやめ、ロッカーシャフトとロッカーアームからの給油に変更し、高回転域での焼き付き防止の対策が施されているのだ。


【画像20枚】油温の管理も重要なポイント。Gノーズの内側に装着された13段のオイルクーラーなど


 また、「1万回転!」を目標とするOS技研・岡崎匡治会長の意をくんで、カム駆動方式もダブルチェーンから高回転時に安定性をもたらすギアトレーン方式を採用。バルブ調整も、バルブステム上に位置するシムの交換でできるようになり、ロッカーアームの先端で調整していた元祖と比べて慣性重量が減り、高回転型ヘッドらしい仕様へ変ぼうしている。




ヘッドカバーは結晶塗装仕上げで、あえて文字部分を剥がさずに使っている。ヘッドの後方には、「TC24-10501」の番号が刻印されており、このヘッドがかなり初期に生産されたものであることが理解できる。





クロスフローになるため、通常とは逆サイドにソレックス50PHHが並ぶ。その上下にセットされたブルーの燃料パイプは、内径の大きなものを採用し十分な流量を確保している。





大口径キャブに合わせてホーリー製の燃料ポンプを採用しており、適切な燃圧に調整するためにエンジンルームはゲージ付きのレギュレーターを装備している。




【3】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔

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