レジェンド・オブ・ザ・ラリー参戦のために公道復帰!|1973年式 日産 スカイライン 1800 スポーティGL Vol.3

ロケ場所の近くにコンディションのいいグラベルロードを発見。当時のラリーシーンを再現するべく、オーナーのドライブで、少しだけアクセルを踏み込んでもらった。40年前にタイムスリップした瞬間。

       
【1973年式 日産 スカイライン 1800 スポーティGL Vol.3】

ラリーシーンで開花していた、鼻の短いケンメリセダン

Vol.【2】から続く

「今年3月に20年ぶりに車検を取得して、公道復帰させました。11月に長野・山梨両県にまたがる八ヶ岳周辺で開催されるラリーイベント『レジェンド・オブ・ザ・ラリー』に出場したいと考えて、こつこつとパーツを集めながら仕上げました」

 とは、オーナーでプリンスガレージかとり代表の香取孝さんだ。

 白いFRPボンネットが目を引くケンメリ・ラリー仕様のモチーフとしたのは、PMC・S(プリンスモータリストクラブ・スポーツ)に所属して国内ラリーに参戦していた佐藤献二選手のマシン。当時のモータースポーツ誌などにも車両の写真が掲載されていたのだが、その数は少なく、資料集めも大変だったようだ。佐藤車への敬意を示すために、ナンバープレートも当時と同じ77‐50を選択している。

「私はケンメリが好きで、レースカーも所有していますが、ナンバーがないので公道を走れません。その点ラリー車は、モータースポーツの雰囲気も楽しみながら、どこへでも出かけられる。ずっと前からの希望だった北海道への遠征も、このケンメリで行きたいと考えているところです」

 と香取さん。ラリー仕様とはいえ、エアコンが装着されているところがポイントで、エンジン、足回りのセッティングもノーマルに準じたものとなっている。旧車のラリーイベントへの出場も、この仕様でこなす予定だ。

 地味な存在だった、鼻の短いケンメリセダン。秘めた実力は、ラリーシーンで開花していたのだった。


2脚ともオリジナルの状態のトリコットとビニールレザーを組み合わせたフロントシートなど【写真24枚】





メーターは3眼タイプ。左から、スポーティGL専用装備のタコメーター、スピードメーター、水温計+燃料計。




ロールバーは、Bピラーアーチパイプはハコスカ用を流用。中央からリアウインドーへ延びるパイプをワンオフ製作している。内張りに添ったきれいな仕上がりだ。


SPECIFICATIONS
1973年式 日産 スカイライン 1800 スポーティGL(PC110)[ベース車]
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4250mm
全幅 1625mm
全高 1405mm
ホイールベース 2515mm
トレッド前/後 1350/1340mm
最低地上高 165mm
車両重量 1005kg
乗車定員 5名
最高速度 165km/h
登坂能力 tanθ0.48
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 G18型
エンジン種類水冷直列 4気筒SOHC
総排気量 1815cc
ボア×ストローク 85×80mm
圧縮比 8.3:1
最高出力 105ps/5600rpm
最大トルク 15.3kg-m/3600rpm
変速機 前進4段・後退1段
変速比 1速 3.382/2速 2.013/3速 1.312/4速 1.000/後退 3.365
最終減速比 3.889
燃料タンク容量 55ℓ
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式/歯車比18.9
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架/リーフスプリング
ブレーキ 前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも6.15-14-4PR
発売当時価格 79.7万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年 10月号 Vol.165(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン 1800 スポーティGL(全3記事)

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photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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