FFスポーツの台頭。続々登場した個性的なモデル|痛快無比のコンパクトスポーツ Vol.2

チェリーX‐1やシビックRSなどのFFスポーツが登場した。

       
【痛快無比のコンパクトスポーツ Vol.2】

Vol.1から続く

個性的なモデルが続々登場

 60年代後半から70年代前半まではスポーツモデルの黄金期だ。日本の自動車史に残るライトウエイトなスポーツグレードが各メーカーから送り出されている。67年秋、富士重工はツインキャブ装着のスバル1000スポーツセダンを投入した。これは日本初のラジアルタイヤ標準装着車だ。1000スポーツはff‐1スポーツに発展し、快適な4ドアのスポーツセダン、スーパーツーリングも誕生する。

 1968年春、トヨタはカローラとカローラ・スプリンターにツインキャブ装着の1100SLを設定した。カローラに高性能バージョンが加わったことで、スポーツグレードの市場は一気に拡大する。エンブレムに強い憧れを抱くようになったのも、カローラSLの功績のひとつと言えるだろう。


シビック にスポーツモデルとして1974年10月に追加された、1200 RSなど【写真6枚】



 また、三菱もファストバックのコルト1000Fにツインキャブを装着したスーパースポーツを設定し、走り屋たちを魅了した。三菱もスバルやトヨタと同じように、マイナーチェンジで排気量をアップし、さらなるパワーアップをもくろんでいる。
 そして70年代になると、サニーやパブリカスターレットにもツインキャブの高性能グレードが登場。この2台はサーキットでもライバルとなり、火花を散らした。ビギナーだけでなく、ベテランからも熱く支持され、人気者となったのは、操る楽しさが全身に満ちているFR車だからだ。

 だが、スバル1000スポーツに刺激を受け、チェリーX‐1やシビックRSなどのFFスポーツが台頭してくる。80年代はFFのコンパクトスポーツが全盛を迎えた時代だ。この時代は、ターボ搭載車が主役となった。テクニックを磨くのに最適で、痛快な走りを満喫できたのが軽量ボディのスポーツグレードだ。経済性の面でも優位に立つなど、エコ指数も高かった。


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年7月号 Vol.163(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

痛快無比のコンパクトスポーツ(全2記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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