サーキット走行からファミリーユースまで! あこがれの鉄仮面、ボロボロの不動状態から復活|1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.3

ボディサイドの「INTERCOOLER 4VALVE DOHC RS-TURBO」の文字が最強スカイラインの証しでもある。

       
【1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.3】

1983年8月のマイナーチェンジによりグリルレスの「鉄仮面」が登場DR30スカイライン。
翌84年2月には、FJ20ET型エンジンに空冷式インタークーラーをプラスした、通称RSターボCと呼ばれた「2000ターボインタークーラーRS/RS‐X」が登場した。これにより最高出力は205psとなり、当時のハイパワー競争の頂点を極めたのだ。

 ちなみに、「ターボC」という通称は、耐久レースで活躍していたグループCマシンの「スカイライン・ターボC」と、インタークーラーの高性能な走り、クールな大人の走りイメージから名付けられたもので、正式名称ではない。

 今回紹介する中川雅智さんも、そんな「鉄仮面ターボC」に憧れていた1人。2006年に、修理屋さんで雨ざらしになってさみしそうに放置されていたガンメタ2トーンのターボCを手に入れた。

 塗装はボロボロでエンジンは不動というひどい状態だったらしいが、もちろんそんなことは承知の上で購入したのだ。というのも、中川さん自身、CPN(カーペイント中川)というショップを経営していて、自分で修復することが可能だからだ。ただし、通常の板金塗装の仕事が忙しいため、仕事の合間にコツコツと修復。外装から、エンジンのオーバーホール、足回りなど、色んな仲間に助けてもらいながら、現在の仕様にまで仕上がってきたのだ。

 2011年10月にオーバーホールしたエンジンには、ハイカム、ハイフロータービン、クランクのバランス取り&タフト加工+ラッピング、ポート加工、ピストンの重量合わせ、メタル類のWPC処理、Z32用エアフロ+SR用ECUなど、2L仕様のまま気持ちよく回せるエンジンにチューンナップ。足回りは、JICの車高調をベースにTRDのAE92用ダンパーを装着し、ピロテンションロッド、強化スタビライザーに変更。ホイールはワーク・マイスターS1の18インチで、ブレーキはR32用のキャリパー&ローターを装備するなど、自分好みのスタイルに仕上げている。

 この鉄仮面ターボCは、サーキット走行からファミリーカーとして大活躍。今後は、ボディ回りの強化が課題らしい。


インタークーラーが追加され205psを誇った最強の“ターボC”。


スカイライン伝統の丸目。


ホイールはワーク・マイスターS1で、フロントが8.5×18、リアが9.5×18を履く。フロントのR32キャリパー&ローターに合わせて、マスターバック&シリンダーをS14用に変更。


黒一色のスパルタンなイメージのコクピット。ミッションはRB用の71Cに変更しているため、シフト位置が前に移動している。


中央のエキゾーストカバーの三角部分からタービンが見える。純正のギャレット・エアリサーチ製T3のハイフロー仕様で、ブーストは約1kgf/cm²の設定。


純正のスロットルセンサーをZ32用のエアフロに変更し、SR用CPUとパワーFCで制御。リリーフバルブはトラスト製だ。

日産 スカイラインHT 2000ターボIC RS-X(DR30)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4620×1675×1385
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1420/1410
車両重量(kg) 1250
エンジン型式 FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89×80
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 205/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 25/4400
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382
最終減速比 4.111
ステアリング リサーキュレーティングボール
サスペンション(前/後) ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15 89H
発売当時価格 287.9万円

初出:ハチマルヒーロー vol.17 2012年 1月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

RB用の71Cに変更しているため、位置が前に移動しているシフトレバーなど【写真7枚】

1984年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ インタークーラー RS-X記事一覧(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotarow Shimizu/清水良太郎

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