実走3万kmの箱入り娘。快調に走るほぼフルオリジナルの極上S31Z|1977年式 日産 フェアレディZ Vol.3

リアゲートに装着された純正のリアスポイラ ー。「Fairlady Z」のエンブレムは水平に取り付けられて いて、リアゲートには「NISSAN」と「NAPS」のエンブレ ムが装着されている。

       
【1977年式 日産フェアレディZ Vol.3】

今でも多くの人に愛されるS30フェアレディZ。
 1969年の発売以来、78年までの約10年間、55万台以上も生産が続けられた記録的なスポーツカーだ。
 その10年間の間に数多くの仕様変更が行われていたが、1973年と75年に大きな変更が施された。73年のビッグマイナーチェンジではテールレンズとフェンダーミラーが変わり、75年に深刻な大気汚染からくる排ガス規制に対応するため、SUツインキャブから、インジェクション(日産EGI)仕様に変更された。 

今回紹介するダークグリーンメタリックのS31は、インジェクション仕様の1977年式。ほぼフルオリジナルの状態で、走行距離は3万㎞という極上車だ。

 このS31のオーナーは、富山県小矢部市で「小倉自動車工業」を営む小倉正雄さん。このフェアレディZを手に入れることになったのは数年前のこと。お客さんの知り合いで、「レストア途中のフェアレディZを持っているが、お金がかかるので手放したい」という話があり、現車を確認して購入を決めたそうだ。

 ただし、その時の状態は、エンジンは降ろされてインジェクションなども外され、ミッションやサスペンション回りもバラバラの状態。おそらく、多少チューニングして組み上げるつもりだったのだろう、欠品している部品もあった。しかし、ボディや内装の状態は良かったため、小倉さん自身が手直ししつつ、エンジンなど欠品部品を調達し、各部を整備して搭載した。

 現在は快調で、富士スピードウェイで開催された「オールフェアレディZミーティング」に自走で参加し、自慢のS31をお披露目。積極的にイベントなどにも参加している。


走行距離は、3万92km(取材時)のS31。マイナーチェンジの際に、フロントバンパー奥に見えるラジエーターコアサポートが、ラジエーターのサイズアップに伴い、形状が下側に出っぱり目立つようになった。現在は好調に走行できているが、燃料タンクにゴミが溜まっていて、燃料ストレーナーが詰まってしまい、エンジンが吹け上がらないトラブルに見舞われたこともあるとか。


リアクオーターのオーナメントは、初期型以外は通気のための穴あきタイプを採用する。


吸入した空気の量を測定するために、エアクリーナーとスロットルボディの間に装着されたエアフローセンサー。吸入空気の量を基本に、燃料の噴射量が決められる。


助手席の足元には、吊り下げ式のクーラーを装備。その奥には、純正のフットレストが装着されているが、ビニールがかけられたままの新品状態。


文字盤の書体が変更されたメーター。走行距離は3万92km。

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1977年式 日産フェアレディZ(C-S31)主要諸元表
●全長4115mm
●全幅1630mm
●全高1295mm
●ホイールベース2305mm
●トレッド前/後1355/1345mm
●最低地上高150mm
●室内長820mm
●室内幅1390mm
●室内高1075mm
●車両重量1115kg
●乗車定員2名
●登坂能力tanθ0.46
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L20E型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量1998㏄
●ボア×ストローク78.0×69.7mm
●圧縮比8.6:1
●最高出力130ps/6000rpm
●最大トルク17.0㎏-m/4400rpm
●変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/後退3.657
●最終減速比3.900
●燃料タンク容量65L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも6.45H14-4PR
●発売当時価格137万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.155(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotarow Shimizu/清水良太郎

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