「創刊のころに取材したクルマとオーナーを訪ねる旅」。発想のきっかけとなったのは、本誌ノスタルジックヒーローVol.8の表紙を飾ったオレンジ色の510ブルだった。
今もその個体は元気で走っているのか?
それを追いかけるためであれば、日本中どこへでも出かけて行くつもりでいたのだが……。
【1969年式 ダットサン ブルーバード 1600 SSS Vol.1】
旧車イベントの会場などに取材で出かけた時、510ブルーバードのオーナーと会って話をすることはよくある。クルマについていろいろな話題が展開し、本誌で過去に載った510ブルーバードについての話が始まると、必ずと言っていいほど「最初の頃に出ていたオレンジ色の510ブルが……」という表現が出てくる。分かる人には分かるという類の話になるのだが、このオレンジは決してクルマのボディ色そのものを指しているわけではなく、表紙写真のイメージを伝えているのだ。聞いている側も頭の中で思い出している絵柄は一致していて、うんうんと納得している構図なのである。
このオレンジ色の510ブルの正体は、本誌が新創刊号と銘打って1988年8月号として発行したVol.8の表紙を飾ったホワイトの1600SSSのことだ。なぜオレンジ色なのかは、このページに載っている記事の写真を見ていただければ、お分かりになるだろう。
創刊30周年の節目となる今号の巻頭企画に頭を悩ませていた時、ふとオレンジ色の510ブルのことが気になり始めた。「今もどこかのオーナーに大切にされて、元気に走っているのだろうか?」と、いろいろな思いが広がる。それならば会いに行こうと決心。当時、取材させていただいたオーナーにコンタクトを取ってみた。
>> 【画像10枚】元オーナーは今も本誌の掲載誌を大切に持っていてくれた。「Vol.8はうれしくて本屋で3冊も買いました」>> 表紙を飾った510ブルーバードの元オーナー。現在はハーレーダビッドソンが趣味の中心となっているそうだ。
【2】に続く初出:ノスタルジックヒーロー 2018年8月号 Vol.188
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
1969年式 ダットサン ブルーバード 1600 SSS(全2記事)関連記事:創刊のころに取材した、クルマとオーナーを訪ねる旅 関連記事: 旧車と共に歩んだ30年 関連記事:ブルーバード