外観は簡素だが、中身の濃い、感度の高い仕上がりを求めて|1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.1

追求したのは速さだけではなく L型チューンドが奏でるサウンド!

       
さまざまなL型チューンを手がけてきたプロショップナカガワ 中川英明代表。技術力を鍛えるステージとするゼロヨン等のレースには、チューニンナップしたマシンで、自らがステアリングを握って参加する。国産から輸入車、高度なものからライトなメニューまで、不得意なものはない。

【1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.1】

 チューナーには2タイプある。ひとつは、とにかく結果重視、速けりゃ手段やプロセスは何でもよしと考えるタイプ。そして、もう一つが、プロセスや手段にこだわりながら、結果や速さを追求するタイプだ。その考え方の違いは、ファクトリーを見ただけで分かる。整然としたファクトリーを好むチューナーの志向は、おおむね後者。そして作品も美しく完成度も高い。

 外観は簡素だが、中身の濃い、感度の高い仕上がり。そんな、この510ブルーバードのオーナーが理想とするチューナーは後者だ。30歳で建設会社の経営者となったオーナーは、会社のクルマの美しさにこだわってきた。建設会社のトラックやダンプといえば、少しくらいぶつけてもそのままというのが大半。だが、オーナーの会社にあるクルマたちは、常にピカピカ。その状態を社長が中心になって、社員みんなでキープしているという。

>>【画像34枚】 エンジンはナカガワチューンドのL18型改。ボアアップとメカニカルチューンでリッターあたり100psを目指したエンジンスペックなど



ステアリングはオーナーが大好きなダッツンコンペ。タコメーターはDefiの1万1000rpmモデル。





三連メーターはセンターコンソールの空きスペースにインストール。左から、油温、油圧、水温の順。目線を移すだけでチェックできる好ポジション。





シートもオリジナルのまま。購入時から保存状態が良くコンディションは良好だったらしい。2点式のシートベルトも当時のままだ。





パッセンジャーシートの下にキルスイッチをセット。旧車の場合は、装備しておいて絶対にソンのないカスタムだ。



1971年式 ダットサン ブルーバード DX(P510)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:SSSクーペ用グリル/ミラー/テール
■ エンジン:L18型改2L仕様(ボアφ89mm×ストローク78mm、圧縮比11.8:1)、亀有製鍛造φ89mmピストン/I断面クロモリコンロッド、L18型純正クランク(1本キー加工、バランス取り)、亀有製76Aカム/バルブスプリング
■ 点火系:ワコーテクニカルCDI(LA700パワーエキスパンダー)
■ 吸気系:ソレックス44PHH
■ 排気系:亀有製4-1タコ足、More Driveオリジナルφ60mmステンレスマフラー
■ 冷却系:アルミワイド2層ラジエーター
■ 燃料系:ニスモ製電磁ポンプ
■ 駆動系:HR30用71Bミッション(5速)
■ 足回り:(F)AE86ストラット流用、ブリッツ製車高調(8kg/mm) (R)ブリッツ製ダンパー、車高調整式スプリング(6.5kg/mm)、More Driveオリジナルウレタンブッシュ/ワンオフロールセンターアダプター
■ ブレーキ:(F)AE86用ブレーキキャリパー、グラン製パッド、AE86用スリットローター
■ タイヤ:ファルケンZIEX (F)165/60R14 (R)185/55R14
■ ホイール:RSワタナベ (F)14×6.5J -3.5 (R)14×7.5J +14.5
■ 内装:Defi タコメーター/追加メーター(油温、油圧、水温)

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 ダットサン ブルーバード DX(全4記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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