魂を込めたクルマを作ることは想像以上に大変な作業である。時がたつのは早いもので、富士スピードウェイでのエンジンブローから丸5年がたとうとしていた2019年。そんな最強ハコスカGT-R製作記が、ようやく重い腰をあげて、何やら動き出したのだ。
【PROJECT 最強ハコスカGT-R Vol.1】
最強のハコスカGT-Rを目指して、チューンナップを続けてきたオーナー。秘密のマイガレージ「Number7レーシングファクトリー」まで立ち上げてしまったのだから、彼の旧車への思いはホンモノだ。
しかし、それが災いしてか、逆に愛車に取り組める時間が以前よりも少なくなっている気が……。オーナーの技術を高く評価している仲間からのパーツ製作の依頼が多く、なかなか自分の作業が進まない。ガレージの一等地もそうした友人たちのクルマが占領し、肝心のGT‐Rは隅に追いやられている状況だったりする。
「早く仕上げて走りたいんですけど、ホントに時間的な余裕がなくて。そう連載のネタですよね。実はあまり進んでないんです……」といいつつ、奥からゴソゴソとなにかを取り出してきた。
「今、足まわりを作り直している真っ最中なのですが、こんなパーツが加工から上がってきました。チタンのテンションロッドです。それとコレ! スーパーGTやフォーミュラとかで使っている特殊な鋼材が入手できたんです。翼端板状になっていてカッコいいでしょ。レース関連のお手伝いをした時に聞きつけてオーダーしたのですが、それなりのお値段でした。やっぱ本物のパーツは高いですね」とオーナー。
>>【画像17枚】本格レースで使用される特殊鋼材を入手し、サスペンションのアップデートが進行し始めた!>> 翼端板状の鋼材を大人買い! これを加工してロアアームにするとか。中空タイプのクロモリ鋼で、軽さと強度を両立しているのもグッド。
>> チタン材のテンションロッドは強度アップも期待できる。ブレーキング時の負荷が大きい部分なので、これもうれしいポイントといえる。
【2】に続く初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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