魂を込めたクルマを作ることは想像以上に大変な作業である。時がたつのは早いもので、富士スピードウェイでのエンジンブローから丸5年がたとうとしていた2019年。そんな最強ハコスカGT-R製作記が、ようやく重い腰をあげて、何やら動き出したのだ。
【PROJECT 最強ハコスカGT-R Vol.2】
【1】から続く どうやら、現在装着されているワンオフのフロントAアームを取り外して、新しいAアームを作り直そうという魂胆らしい。しかし、なぜこんなに手間なことをしているのか?
「テンションロッドの角度を改善して、足まわりの動きをもっとスムーズにしたいからです。今までのAアームはテンションロッドの取り付け部(アーム側)が上側に付いていたので、ロッドの角度が上向きになりすぎていました。バンザイ状態というのかな。逆にいえば、それによりブレーキング時のフロントの沈み込み量が抑えられていたのですが、もう少し動かしたいなぁと思って」
要するにジオメトリーの改善に着手しようというわけ。なんとなく理屈は分かったけど、なぜテンションロッドをチタンにしたり、ロワアームを翼端板状にする必要があるのか。そこを突っ込んでみると「カッコいいから」と即答。空力とか軽量化の効果はさほど気にしておらず、せっかく作り直すのだから新しい素材を使おうということ。
それともうひとつ。これもあったと奥から取り出してきたのが、海外製の水冷式オイルクーラー。こちらは一般的な空冷式と違いクーラントを本体内に通すことで油温を安定させるタイプ。レースカーでは当たり前のように採用されており、暖機してもすぐに油温が上昇するのもメリットなのだという。オーナーのGT-Rはドライサンプ用とノーマルと2系統のオイルラインがあるが、これは純正ラインに入れるつもりとか。
>>【画像17枚】従来のワンオフ品 今まで使用していたAアームはテンションロッドが上側に固定されていた。これがを下留めにすることで動きがスムーズになるはずだという、新しいAアームの構想>> オイルクーラーの中身をみて見ると、かなり精巧な造りになっているのが分かる。冬場に冷えすぎないのも水冷の特徴だ。
>> キャブの下あたり取り付けようかなと思案中。オイル/ウオーターラインの取り回しはできるだけ短くしたい!
【3】に続く初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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