BMWの最上級モデルとして生まれた2000C。エレガントな装いにクーペスタイルを取り込み、スポーティーかつ上質なたたずまい。そんなクルマにエンドレスが味付けをして、さらなる進化をとげた。その勇姿は浅間ヒルクライムコースにあった。
【ENDLESS BMW 2000 C Vol.2】
【1】から続く 先日行われた浅間ヒルクライムでパワーあふれる走りを披露したエンドレスがレストアしたBMW2000C。
ブレーキシステムで有名なエンドレスらしく、足回りには最新のサスペンションにディスクブレーキを装着し、レース参加可能な性能を備えた。
エンジンはノーマルのソレックスシングルキャブから、ウエーバーφ40mmのツインキャブにし、電磁燃料ポンプを装備して、パワーアップを図った。
トルクを引き出すために、アルミ削り出しのインマニ、アルトラックで特注したエキマニを装着。マフラーはワンオフのステンレスモデルだ。
もともとATが装着されていたクルマにパワーあるキャブレターを取り付けることは容易ではなかったという。狭いエンジンルームで、そのスペースを確保するのもひと苦労。アルミ削り出しのインマニはキャブレターを立ち上げるかのごとく傾斜が付けられた。
スペース確保のためでもあったが、キャブレターに角度を付けることには賛否両論があったという。しかし、花里功社長は過去の経験から確固たる自信をもって指示を出した。
>>【画像37枚】オリジナルシートの座面には、ステッチが縦方向に入っている。しかし、走行時に体が前後に滑ることを防ぐため、あえて、ステッチを横方向に入れているシートなど真っ赤な室内に美しいウッドパネルが映えるインパネ回り。エンドレスのレストア車両の室内はすべて、この鮮やかな赤いカラーで統一されている。
当時、2000Cは3ATと4MTが選べたが、この優雅な雰囲気を楽しむにはATがよく似合う。ツインキャブ搭載のスポーツタイプ2000C SにはAT設定がない。
大きな三角窓は窓下、ドアハンドル上部にある回転式のノブで開閉する。作りもしっかりとしているが、無駄なパーツがなく、ミニマムな、すっきりとした印象。
ハードトップクーペらしい開放感ある美しいシルエットを見せてくれるリアサイドからの眺め。ステアリングはナルディクラシックを装着。ボスは特注で作られた。
花里社長お気に入りのBMW2000C。軽くレストアされた状態で長く保管してあったクルマを2016年に再レストア。
初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
ENDLESS BMW 2000 C(全3記事)関連記事:ENDLESS関連記事: BMW 【1】から続く