【550cc軽トラックのゆかいな仲間たち Vol.2】
最近にわかに注目されている550ccの軽トラック。世代的にも本誌にはバッチリなクルマたちだ。気楽に楽しめることはもちろん、海外に広く輸出されているため、それぞれの国で独自の仕様が存在。そんなパーツでも楽しめる、いま一番お勧めのジャンルだ。
古くは軽トラの前身である軽三輪のミゼットや、360cc時代のボンネットタイプからキャブオーバーへの転換期、550cc期のフルキャブ、660ccのセミキャブ時代など、各世代にとってリアルタイムを共に過ごした、懐かしさを感じる軽トラが存在することだろう。
1976年の規格改定により、それまで総排気量360ccまでだった軽自動車の排気量は550ccまで拡大。車体サイズは長さ3.2m、幅1.4mとなる。以後1990年に660ccとなるまでの14年間の550cc時代が、今となっては懐かしく感じられる。
550cc初期では、360cc時代の車体の幅だけを広げたり、550ccエンジンの開発が間に合わず、500ccエンジンを搭載したり、エンジンの自社製作が間に合わず、他社から調達して急場をしのいだこともあった。
>>【画像57枚】キャリイ&ミニキャブ、5台の仲間たちが居並ぶショットや、各車のディテールなど それまで2サイクルが主流だったエンジンが、より排ガスがクリーンな4サイクル主流となったのもこの時代。そのような混沌とした時期を通り抜け、クルマとしての充実度、信頼度が完成の域に達した、550ccの最盛期が80年代といえるだろう。
80年代まで主流だった、前輪の上に座席があるようなフルキャブ型のボディは、90年代後半より前輪がバンパーのすぐそばまでせり出したセミキャブ型へと変わり、より乗用車的な乗り味となった。しかし使い勝手の良さから、現在の新型車はまたフルキャブへと回帰している。このことから、80年代車は実用性の分でもまだまだ現役で活躍できそうである。
ゆかいな仲間2:1989年式 スズキ キャリイ スタンダード(GME仕様)
>> バックフォグがヨーロッパ風。本来はガソリンタンクにガードが付き、そこにフォグが付くのだが省略している。
>> エンブレムが手に入らず、洋白材をエッチングという技法でワンオフ製作した苦心の作。
>> 高床三方開の荷台。ホイールはブリヂストンゾナの10インチ。
>> スタンダードだがクーラーが特別に付いていた。
>> シートもキレイな状態。
>> キャビンから荷台へと伸びるラスカルのボディストライプはワンオフで制作。
OWNER
「2年前まで1968年式のプリンスクリッパーで仕事をしていていたので、軽トラは楽でいいですね」輸出用にしかない特別色で全塗装したいとか。
【3】に続く初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
550cc軽トラックのゆかいな仲間たち(全6記事)関連記事: 商用車 【1】から続く