【まさに昭和の軽バニング!!】ハート型のポト窓やボタン留めのフルモケット内装など、懐かしさ満点のライフ ステップバン

80'sリビングカスタムを現代の技で復刻するまさに“昭和の軽バニング”的なライフ ステップバン

       
昭和の軽バニング黎明期の面影を
美麗にリノベした32年目の相棒!

【画像9枚】現代の技で80’sリビングカスタムを復刻した車内、軽バニングの由緒ある名残りでもある窓埋めのポト窓など、昭和の軽バニングを彷彿とさせるライフ ステップバンの真相はココをチェック!! 

日本の軽VANカスタム史を語るうえで欠かせないのが、’70〜’80年代を風靡したステップバンの軽バニング仕様。
今では、旧車シーンにおけるサブロク軽の王道車種だが、昔はユーモラスなトールボディを生かして、自由奔放なカスタムを楽しむ格好の素材として若者にバカ受けだったのだ。
そんなカスタムベースとしてイジり倒された一時代があるからこそ、ライフ・ステップバンのマニアックな世界があるといっても過言ではない。

ハート型のポト窓やボタン留めのフルモケット内装に思わずビビッときた人も多いであろうこの1台も、日本のカスタムカー史におけるヘリテージな存在だ。

オーナーが現在の愛車’73年型ステップバンを手に入れたのは昭和63年のこと。

「かつてダッジバンも所有していた時期には、コイツを鉄板で製作したスポイラーやエアロを装着して、弟分のソックリ仕様にカスタムしてました(笑)」という昔話からも、以前はコテコテの軽バニングであった個体の歴史が裏打ちされている。

長年連れ添った相棒をこれからも現役バリバリで乗り続けるべく、内外装からエンジンにいたるまで、レストカスタムで今っぽくリノベしたのがこの姿である。

また、DIYの自家塗装でフェラーリレッドに色替えしたエクステリアは、可能な限りストックに戻しつつ、メッキグリルやバンパー、ガラスサンルーフなどでさりげなくドレッシーに演出している。

内装も木目調のダッシュボードやオーバーヘッドコンソールなど、’80年代当時の“ナウいカスタム”を現代のマテリアルを活用して再現している。

“ないものは作る”が当たり前だった時代を謳歌したカスタムスピリッツに、敬服の念を抱かずにはいられない。



>>ストック回帰のボディリメイクの際、ノーマルに戻せなかった唯一の個所が鉄板溶接で窓埋めされたハートのポト窓。だが、今となっては超がつくお宝ゆえ、レトロな味わいが満点になるのだ♪


>>リアに際立つ、窓埋めのポト窓は、軽バニングの由緒ある名残り。DIYの自家塗装でフェラーリレッドにオールペンしたフォルムも圧巻だ!


>>プチオーバーフェンダーで収めた鉄チンホイールは、一見、ホンダ純正ながらも、3.5Jを4.5J化した加工ワイドスチールが実体。タイヤはダンロップ165/70のセミスリックをチョイスする。


>>モトリタのウッドステアリングとコーデした木目調インパネは、DIYによる水圧転写フィルムで復元。ホワイトメーターは、日本最古のステップバンのクラブ「LOVE STEP」謹製の当時物オリジナルパーツで、雑誌を通じて通販で購入した。



>>赤モケットのシートや天井、内張りは、張り替え前の昔の生地をVANカスタムの老舗ショップ「ロータスRV」に持ち込み。当時に近い生地を取り寄せてもらい、ウレタン生地やボタン留めまでオーナー自身で行っている。


>>吊り下げ式のクーラーは、ホンダZの純正オプション品。ステップバンにはクーラーの設定がなく、エンジンもコンプレッサーの負荷に耐え得る専用ヘッドが用いられている。


>>エンジンは、同じ水冷式EA型を積むホンダZから、クーラーユニットごと移植した3基目。EAエンジンに精通したチューナーの元で、WPC処理されたバイク用72Φピストンを用いて423ccにボアアップ済みだ。


>>可能な限り、ストックに戻したエクステリア。フェラーリレッドと、グリルやバンパーのメッキパーツなどで、絶妙なバランスの個性を醸し出している。

【画像9枚】現代の技で80’sリビングカスタムを復刻した車内、軽バニングの由緒ある名残りでもある窓埋めのポト窓など、昭和の軽バニングを彷彿とさせるライフ ステップバンの真相はココをチェック!! 


『カスタムCAR』2021年1月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:ライフ ステップバン/1973年型

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/コンヒデキ

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