【ロシアで第2の人生をスタートした“エッサホイサ”】20年以上前に誕生した名車? 迷車? キャリイトラックベースの下町スーパーカーをロシアで発見!!

さかのぼること2001年頃、世に送り出された“エッサホイサ”は、DA52型キャリイ用のエアロキットとして登場。ワンオフではなくキット販売されていた驚愕のテスタロッサ風エアロキットなのだ。

       
今からおそよ20年以上前。彗星のごとく登場し、当時の兄弟誌『ヤングオートKマガジン』や『K-CARスペシャル』、『OPTION』など、数々のカスタム系クルマ雑誌で特集された“ESSAHOISA(エッサホイサ)”。センセーショナルなデビューを飾ったこのマシンが、驚きの場所に存在する情報をキャッチ。オーナーへコンタクトを取ることに成功した。

【画像8枚】ワンオフではなくキット販売されていた驚愕のテスタロッサ風キャリイ“エッサホイサ”。ロシアでカーショーデビューを果たした衝撃の姿はココからチェック!!

日本生まれの軽トラや軽バン(もしくは現地OEM生産の1000ccエンジン搭載車)が、海外の軽カー/マイクロカー愛好家に愛でられる姿を、SNSを介して見られること自体は珍しくなくなってきた。
そのクルマの多くは、趣味性の高いサブロク旧車軽カーをはじめ、ビートやカプチーノなどの軽スポーツ、そしてバンライフの相棒としてリフォームされた軽バン&軽トラたちだ。

そんなSNSの向こうで垣間見られる海外の軽バン&軽トラ事情を流し見するなかで、とある1台が目に留まった。
それがこの“エッサホイサ”だ。

エッサホイサとは、かつて大阪のC-CUPが製作していたエアロキットのこと。
かのフェラーリ・テスタロッサをモチーフにしたエアロは、当時存在していたカスタム系雑誌にて、たびたび特集されるほどの衝撃を巻き起こした、なんとも大胆不敵な造形が特徴のDA52型キャリイだ。

今や日本でも希有な存在であるエッサホイサをロシアで愛でるのがこのオーナー。
時は’14年、トヨタRAV4やボルボC70をすでに所有していたオーナーが、趣味車を探すさなか、軽トラの存在を知ることに。
SNSなど通じて、軽トラについての情報収集をしていると、ロシアの車両販売サイトで売りに出されたエッサホイサに出会う。
「なんて幸運な出会いだ!」と、この異彩を放つ軽トラの出で立ちに一目ぼれしたオーナーは、エッサホイサを手に入れるべく、遠く7000km離れた街へ出向いて晴れて所有することに。
レクサスストアに10年以上勤め、塗装を担当していた経験を生かし、レストアとオールペンを実施すると、’17年にはロシアのオートショーでお披露目するなど、まさに溺愛といったご様子だ。

残念なことに現在は、’20年以降に行われた州法の変更で、改造車をストリートで走らせることが禁止となってしまったそう。
しかし、エッサホイサはガレージで大事に保管しており、路上復帰できるその日を待っているそうだ。



>>オーナーの手元へ渡った当初のエッサホイサは、バンパーの塗装の一部が剥げていたり、FRP製のパーツがやれていた状態だったが、エクステリアのリフレッシュと、フェラーリ純正レッドでオールペンが施され、艶姿が復活!


>>さかのぼること2001年頃、世に送り出された“エッサホイサ”は、DA52型キャリイ用のエアロキットとして登場。その内容はフロントバンパースポイラー、サイドステップ、リアスポイラー、そして荷台をまったく使い物ならなくしてしまうエアロトノカバーの4点。元ネタとなったテスタロッサを彷彿とさせるフィンは、オプションとしてラインナップされていた。


>>当時、製作元であるC-CUPがオートサロンでデビューさせたエッサホイサは4本出しマフラー。それに対し、ロシアの個体は2本出しマフラーでリアディフューザーが追加されていることから、ユーザーカーが海を渡ったものと推測される。テールランプはコルベットテールを流用できるようにデザインされていたそう。


>>異国情緒ただよう町並み(ってか異国)に違和感満載のスタイリング。この写真はロシア第2の規模を誇る大都市サンクトペテルブルクで撮影されたもの。オーナーは現地のレクサスストアで勤務経験もあり、日本車も数台所有した経験を持つ日本車好きでもある。ちなみに、写真に写った美女はオーナーではないようだ(残念)。


>>’17年にサンクトペテルブルクで開催されるたロイヤルオートショー。自動車メーカーの新車も発表されるなど、ロシアで権威あるオートショーにエッサホイサが並ぶ一幕。同色で彩られたマツダRX-8とともに堂々たる姿を披露した。


>>DA52型キャリイ用のエアロキットとして登場した“エッサホイサ”。フロントバンパースポイラー、サイドステップ、リアスポイラー、エアロトノカバーの4点セットで、フェラーリ・テスタロッサをオマージュしたフォルムをメイクできるセンセーショナルな内容だ。


>>軽トラらしからぬ流麗ラインに、サイドダクトでテスタロッサ感を演出するサイドステップに備え付けられたフィンは、線が太くならぬようにと素材にビレットを用いる。ホイールはロシアにて変更されたレグザスD800をセットしている。


>>テスタロッサになりきるため、軽トラたる意義をかなぐり捨てるエアロトノカバーは、既製品をそのままセット。キャビン上部のウイングとテールエンドのGTウイングは、ロシアへ渡った際にすでに装着されていたようだ。


『カスタムCAR』2021年12月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:キャリイトラック

TEXT/編集部

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