【クセモノ・スタンス】昭和ノリ×今ドキスタンス! 80's仕様を完全トリビュートしたプレリュード

80's後半のヤングオート誌から抜け出てきたような'86年型プレリュード

       
リアル80’sな昭和臭ムンムンの2代目プレリュード

【画像13点】当時の昭和感満載なプレリュードの全貌はコチラ!

ハチマル世代の国産旧車を当時風にカスタムするのも、カスタマイズの手法のひとつ。

とはいえ、実際は懐かしパーツに頼った現代感覚のレトロカスタムに等しい一面もあり、当時の生き証人のノスタルジーをくすぐる時代考証カンペキな当時仕様となると、以外に少なかったりするのがブッチャケのところ。

のっけから辛口批評で恐縮だが、“名ばかりの当時仕様は道を開けろ”とばかりのリアル昭和なレトロビューティーで魅せる真打ちが登場。

それが80’s後半のヤングオート誌から抜け出てきたようなコチラの’86年型プレリュードだ。

現在では絶滅危惧種のレア車ながらも、新車当時はGALウケ抜群のデートカーとして人気を博した2代目AB系がベースで、昭和60年代初頭の“女子大生ナンパ仕様”(笑)を時空を超えてトリビュートしたのがこの1台となる。

ホワイト1色でキメたヨーロピアンちっくな出で立ちは、昭和58年まで道交法で御法度だったドアミラー&エアロパーツが合法化されたことに起因した第一次ドレスアップブーム期のトレンドスタイルを再現。
アウトフォルムのスポイラーやゲインズのフェンダートリムといったお宝パーツがそれ。
フェンダーの“グラデコ”やリアウインドーに貼られたケンウッドの何気ないステッカーさえも、現在50代のオジさんオバさんたちの青春時代がフラッシュバックするかのような魅惑のタイムトリップ感に満ちている。

そして、30年前のトッポい兄ちゃん仕様のクローンばりの、説得力に満ちた80’sルックのキメ手は、当時を風靡した仏アパレルブランド「レノマ」のライセンス製品をホイールからインテリアまであしらったハイソなコーディネート。

そのすべてのセレクトが当時の仕様に極めて忠実。そんなトコロが当時仕様マニアの神髄を実に垣間みれるのだ。

しかも驚くことに、オーナーがローライダーショップに放置されていた個体を10万円で譲りうけ、現在の姿に導いたのは2004年のこと。

その頃は、80’sスタイルのドレスアップどころか、ハチマル絶版車もブームに火が付く前の時代。
情報源も極めて少なく、ヤングオートを筆頭とする昔の改造車雑誌を参考書に往年のセンスやセオリーを吸収。

そして、稀少価値が付く前に集めた当時物パーツやホイールを駆使して作り上げた80’s当時仕様の“早過ぎた時代の草分け”こそが真の姿なのだ。

そんな水面下のベテランの愛車ゆえ、リアル世代のハートをも掴む出来映えにも納得デス!



>>フロントとリアのエアロスポイラーは、アウトフォルム製で、サイドステップはメーカー不詳。クロームメッキのフェンダートリムは80’s中盤〜後半のハイソカー御用達アイテムで、絶版ブランド人気NO.1のゲインズ製を奢っている。


>>昭和時代のシャコタン同様に、ノーサスでバンプラバー抜きまで当時のマネはツラいので、中古パーツの寄せ集めと足回り加工でエアサスを装着。前後サスは他車用のキャノーバーで、苦心のすえ、自力でセットアップしたのも実に14年前ということにオドロキなのだ。


>>テールとガーニッシュパネルを覆った白のスリットラインは、テーピングによるもので、当時ヤン車のDIYメイクで超テッパンだった演出。リアスポは中古パーツ屋で見つけたGX71用のオートピスタ製が偶然にもフィット。


>>ジャーマンスタイルを意識した’80年代中盤の人気アイテム「グラデコステッカー」。フルエアロのハイソカーのみならず、スペシャリティカーやFFコンパクトのボーイズレーサーなど、昭和のあらゆるカーキチたちのお手軽アイテムとして人気を博した。


>>サンルーフバイザーやレノマのロゴ入りサンシェードも当時物のデッドストック。日本初の純正サンルーフ車として登場したのが実は初代プレリュードで、この’82〜’87年の2代目でも全車標準装備だった。


>>リアガラス3面にはゲインズのスリットシェイドを取り付け、当時のヤングガイにゃ定番だったオーディオメーカーのステッカー貼りも踏襲。80’s後半に人気だったフェンダーダクト加工は行わず、ヤリ過ぎ感のない当時的なドレスアップにとどめている。


>>当時物レノマアルミの足元は15×6.5Jで、絶版のピレリ・ドラゴン165/45タイヤでの引っ張りセッティング。さらに実はホイール元のP.C.Dはプレリュードに履けない114.3で、金属加工の職に就くオーナーのDIYで、アルミ溶接の穴埋めによるP.C.D加工で、100.0に変更済みという凄ワザを介した逸品となる。




>>シフトノブやイタルボランテ製のステアリング、ダッシュボードの飾りプレートもレノマの当時物で統一。本来レノマはフランスの高級アパレルブランドで、’80〜’90年代に日本のメーカー数社がライセンス商品のカーグッズを独自販売していた。なお、カーコンポはベース車両と同じ’86年モノのケンウッド製で統一済みだ。


>>シートは往年のレカロのrenomaコラボモデルで、運転席のみ、C-Classicの電動スライド式をチョイス。シートのグラデーションカラーがベースカーとドレスアップスタイルの時代考証に則ったコーディネートであることを物語っている。


>>フロアマットもrenomaのロゴと重厚な飾りプレートが備わった往年のライセンス製品。メッキのペダルカバーはロンザの80’s当時物で、実際に付けるとコンディションが台なしになるため、イベントでのショーアップアイテムとして用いている。


『カスタムCAR』2018年5月号掲載
BASE CAR:ホンダ・プレリュード/1986年型
SOURCE:水野ワークス

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/コンヒデキ

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