トラッキン的手法でリア足大幅チェンジ! ターセルで魅せる限界ロワード!

       
“激低=スタンス系”の図式が今ドキのメインストリームを務めるコンパクトの世界。だが地を這うような車高のもと、ホイール&タイヤをフェンダーアーチの内側にガップリめり込ませたスラムド系も本場USでは今なお第一線の王道だ。日本のUSカスタムはヘラフラ1色の盛り上がりだが、ここで紹介するのは、トラッキン派生の白人系コンパクトにコダワる筋金入りのスラムドGUYのオーナーサン珠玉の愛車、EL50系ターセルセダンだ。

フルUS仕様の外観を押さえたUSDMからの、カスタム色を高めたバージョンアップの手段に選んだのが俗にいう“MTスタイル”なのだが、数年前に一瞬ハヤってすぐさま廃れたスラムドトラッキンの雰囲気のみを追った即席ノリとはワケが異なるのが、コイツの揺るぎないアイデンティティ。

ドアノブやモールディングなどをシェイヴしたモスグリーン色のエクステリアはMTスタイルの流儀をモロにいくが、スラムドトラッキンのDNAが注がれたカスタムの真骨頂はノーサス以上のローハイトでシャーシべったりのフォルムを担うラディカルな足回りに尽きるのだ。 

トラッキンのインスパ系カスタムに強い茨城のショップ「ジョインツ」に依頼された着地モッズは、まずフロントサスのアッパーマウントをモノコック部分から作り直しストラット位置を変更。リアセクションは後席から後ろのフロアパンを潔く切り取り、リア脚をトレーリングアームのコイル式からエアバッグのトライアングレッドリンク式に大変更! さらにアクスルビームも3インチナロー+2インチダウンするスラミンっぷり!

しかも現在形はあくまでもアンフィニッシュドだけに、若手オーナーの今後のハジけっぷりにも注目なのデス!!


【画像11点】トラッキンターセルの全貌!



>>北米モデルが存在するため、フェイス回りをUS仕様に変更。バンパーやレンズ類をチェンジしてハンサム顔に変身させた。




>>Mini truckin’誌で見た3本スポークホイールに影響を受け、アメリカンレーシングをチョイス。バッグに干渉するため30mmスペーサーをセットした。



>>ルーフにはベバスト製の大型キャンバストップを装着! スムージングを施されたボディだけに、外装カスタムでは、アクセントとして超お目立ち!




>>通常国産車だと、ワイパーは左→右へと動く。が、しかしこのクルマはU.S.と同じく右→左へと動くよう、仕様変更されている。




>>足回りを4リンクに加工するため、トランクのフロアは切り取り、新たにコの字型のサブフレームを新設。アクスルビームからサブフレームに伸びているのがアッパーリンクで、ロワーリンクはトライアングレイテッドとし、アクスルと繋がっている。また、純正アクスルのスピンドル位置を加工することで2インチのローダウンを実現。スラムドさせるためにはフェンダー内にタイヤを収める必要があったため、アクスルは3インチナロードされている。




>>トランクをのぞくとフロアをぶち抜き、4リンク加工したR足回りが丸見え。エアバックはアッパーリンクと丸パイプで新設したタワーの間に設置されている。また、エアタンクも設置、ガスタンクは新たにワンオフ製作された。




>>ショックマウントは2インチかさ上げ、1インチ内側にセット。これにより、車高ダウンの実現&エアバッグの干渉を防いでいる。また、ワイパーモーターは左側に移設されている。




>>大幅なローダウン&アクスルのナロードに対応するため、リアフェンダーは内張りを切り取り、作り直されている。



『カスタムCAR』2013年2月号掲載】

BASE CAR:ターセル 1996年型

JOINTZ CUSTOM

PHOTO/渡部祥勝

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