鬼雅 レトロなパーツ&箱絵を武器に硬派ないぶし銀スタイルを構築

一番星号を思わせるリア観音扉のペイントは、リアビューの目玉中の目玉。バンパーが小ぶりな分、赤地の泥除けが異彩を放っている。

       


岡山の気鋭アートカンパニーの森本商事に所属する大型車のドルフィンは、古いアート車が大好きだというオーナーが、社長と相談のうえで製作したレトロムード満点の美麗車だ。

注目すべきは、古き良き時代を彷彿とさせるアートパーツを多投したキャブ周りだ。天板に手すりパイプを組み合わせた舟型バンパーは、スーパードルフィンの初期型に移植したグリルや、バスライト風のヘッドライトとの相性も申し分なく、周囲にレトロな雰囲気を好アピール。また、キャブトップには、棒チップをあしらった小ぶりなミラーステーと、前面に抜きデザインを施した平型バイザーを装着。バイザーの天板左右には、昭和時代の消防車に使われていた赤色回転灯を搭載するなど、ツウ好みなアートを展開している。

そのほか、キャブ周りに流れる手すりパイプや、フロントパネルを彩るウイングマーク、ドアの魚がし丸アンドンなどのアイテム陣も、昔懐かしいスタイルの演出に一役買っている。

一方、荷台周りの目玉は、モモタローが手腕を振るった箱絵だ。左右のウイングに「国際貿易荷役」の文字を刻むほか、アオリ後方には白フチを付けながら自社名をペイント。風になびく短冊文字が風流なアクセントビューだ。なお、リア観音扉に描いた「ワッパを握る桃太郎」は、大好きな一番星号へのオマージュとともに、「桃太郎=吉備団子=岡山」というご当地アピールの意味を込めた注目作で、素朴な筆致と華やかなカラーリングが功を奏し、道行く人の視線をクギ付けにしている。一応の完成をみたこのクルマだが、貪欲に理想を追求すべく、ただいま箱の載せ換えやキャブパーツのリメイクを検討中とのことだ。
 
【写真6点】レトロムード満点の美麗車。

カミオン2010年1月号トップアートをもとに再構成

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