大量輸送の理想と規制の狭間に揺れた特殊車・ダンプトレーラ進化論【後編その2】

時代の流れとともに規制によって姿を消した土砂運搬のダンプトレーラだが、四半世紀以上にわたる土砂禁止の規制から解放。輸送効率の観点からも注目を集めるダンプトレーラの魅力にさまざまな角度から迫った特集を前編と後編に分けて紹介。

       

長尺なベッセルと煙突マフラーで魅せる

舟底スタイルの長尺ベッセルが特徴的な2軸トレーラを引く平野工業の悠斗丸Ⅱ。大きなハイルーフで人気を誇るクオンのシングルヘッドには、スマートなデザインの煙突マフラーを2本立ち上げてトラクタの魅力を倍増させているほか、平型バイザーや要所に配したメッキパーツなど、NDサービスが手がけたスマートなアートが魅力。また、全身を彩る鮮やかなグリーンカラーとロングサイズベッセルで目立ち度バツグンの1台だ。


【悠斗丸Ⅱ】パンチングカバーに内蔵されるタイコからマフラーパイプがハイルーフを越えてそびえ立つ。


【悠斗丸Ⅱ】3層のエアタンクやバッテリーなどを装備する軸間を、角パイプ3段仕様のサイドバンパーでしっかりガード。踊り場のフレームにも鏡面を用いている。


【悠斗丸Ⅱ】力強い走りが魅力のばんえい競馬をケツブタに描いた迫力のリアビュー。キャブ同色に塗られた舟底ベッセルの長さが際立つ。




GVW36tを誇る圧巻の6軸22輪車

下川部工業でワッパを握るオーナーは魚専門のドレージ輸送などセミトレ経験の豊富なベテラン。6軸もあるこのスーパーグレートはハイキャブハイルーフの三菱ふそうの最高峰で、現場からプラントまでオールマイティなワークスタイルで活躍する。季節によっては火山灰からでんぷん用のイモまで多彩な荷を運ぶ。冬には栃木へとベースを変えて関東周辺で活躍するのだそう。この圧巻のスタイルはどの地でも注目を集めることだろう。


【下川部工業】東急の台車フレームに乗る大きなダンプベッセル。プロテクターは関東スタイルで造り上げ鏡面ステンレスをあしらう。


【下川部工業】ヘッドの踊り場はスマートなラインでリアフェンダーを兼ね備える。足元はアルミポリッシュとメッキハブカバーが輝く。


【下川部工業】必然的な腰高スタイルがダンプトレーラの魅力であり強烈な迫力を兼ね備える。鏡面額縁の入ったケツブタも見事だ。

【写真24点】平成のダンプトレーラたち(その2)。

2013年1月号トレーラ特集をもとに再構成

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