ベスト5 鯛が跳ねる志摩半島・誠久丸 ウチの船の名前と同じだぜ

鯉退治はトラックペイントに人気のある構図だが、色使いやタッチが独特。どこで描いたのかが気になる。




この誠久丸は、浜崎さんが乗っている船と同じ名前だそうだ。

「500tで35人乗り。それでハマチ、マグロなどを獲ってるんだ。カツオの1本釣りは、それは豪快だけど、最近は魚探を使い、網で一網打尽にしてしまうからロマンがなくなったネ」。と、すると漁師なのか?


「売ります買います女●とケンカ」「明日は貴女の港町」。ユーモアあふれる文句が踊る誠久丸。

「ときたま漁師になるのです。つまり点数がなくなり、トラックが運転できないとき。本当は、いつもこれに乗っていたいですよ」とのこと。親父さんも漁師で、小さいときから船に乗っていたそうな。運搬するのはもちろん魚。 カツオ、ハマチ、マグロなど近海の鮮魚が中心。 2年前にトラッカーになったそうだが、心は、すっかりトラック野郎になりきっている。

「リヤの観音様はオレの守り神なんだ。そして、文字は、オレのトラッカーとしての心構え、どこで死んでも本望だぜ、といっているつもり。志摩は鯛をはじめ魚の豊富なところだけに、サイドは魚を描いたんです」。ちょっとマンガチックな絵ではあるが、 ユーモアもあってなかなかのもの。


オーナーが守り神と話すリア観音扉ペイント。トラック野郎としての心意気を観音様に託している。

「これからサイドバンパーとテールをエ夫したいと思っている。しかし、資金繰りが大変なんですよ」。クルマのローンが毎月25万円。あと2年間残っている。それを払いきれば、ぐっとらくになるとか。

「オレ独身なんです。ただいま花嫁募集中。だれかいい人いたら連絡ください。 日本全国、すぐ飛んでいきますから」。その意気やよし。 立候補して下さい。


「これから」と記載されていた内装の行方とともに、花嫁募集中の結果も気になるところだ。

文:編集部 カミオン1985年1月号をもとに再構成

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