【Trailer Life】駆けつけます、移動式バーバー。クラシカルなスタイリングならお任せ!

Base Car:1957年型 VWタイプⅠ+1947年型 ロードマスター・トレーラー

       
オーバルのタイプⅠとヴィンテージトレーラー。その傍にいる雰囲気たっぷりの男たち。なにやらフツーじゃない香りが漂うが、種明かしすると実はこの組みわせ、なんと移動式バーバー。驚きのモバイルライフをご覧あれ。

青空のもとでバーバーを。斬新なアイデアに驚き

 男性読者の皆さんはいつもどこで髪を切られるだろうか? オシャレ男子ならやっぱり美容院? それとも近所の床屋? 小・中学生までは髭剃りや顔剃りをやってくれる床屋に通ったけれど、それ以降は美容院なんて人が圧倒的に多いのではないだろうか。ひと昔前までは、なんとなく美容院の方がカッコよくて、床屋は今ひとつなんて風潮が確かにあった。しかし、ここ5〜6年で急激に流れが変わる。今、「床屋はカッコイイ」のだ。そう、男性のヘアスタイルは『バーバースタイル』と呼ばれるクラシックな髪型に、熱い視線が注がれている。

 ここで紹介するオーバルのタイプⅠオーナー・宮田サンは、先述したバーバースタイルを専門とする理容院、静岡「ナチュラルスタイル」の店主。若い頃からVWが大好きで、クラシックなものに惹かれる性質だけに、フェード(刈り上げ)を駆使し、きっちり分けた髪にポマードを当てるバーバースタイルに興味を持たないわけがない。ここ10年で宮田サンのお店は完全にバーバースタイルへと変化した。



 そんな宮田サンの今の目標は「バーバースタイル」を広めること。かつて敬遠された理容師の技術や腕前を、多くの人に知らしめたい、という熱い思いを胸に秘めている。そんなとき思いついたのが、愛車のオーバルでヴィンテージトレーラーを引っ張り、移動式バーバーとするプラン。知らない人からすれば、幾分突飛なアイデアにも思えるが、バンやトレーラーを使ったモバイルライフが話題になる今の時代にあっては、かなりタイムリーなプランだといえる。思い立ったら即行動、手に入れたロードマスター社製のヴィンテージトレーラーは内部をレストア。さらに、バーバーチェアやネオンサインを設置して体裁を整えた。加えてエクステリアに屋号のレタリングを施せば、カスタムトレーラーとしての見栄えもバッチリ。オシャレな移動式バーバーの出来上がりだ。



 トレーラーは今後、宮田サンの熱い想いと夢を載せてまだ見ぬ街へ旅立つ予定。移動式バーバートレーラーの物語は今、始まったばかりだ。

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>>バーバー仕様とするため、床は縞鋼板張りとされた。クラシックなトレーラーに合わせバーバーチェアは、1954年に生産されたタカラベルモント製をチョイス。もちろんシート等は張り替え、レストア済だ。



>>オールドスクール的なバーバースタイルを専門とする宮田サン。見栄えのいいフェード(刈り上げ)やポマードによるヘアセットは、熟練した技術の賜物。今回の撮影のためにカットモデルを務めていただいたのは、お客さんでもある増田サン。このスタイリングを保つために、月2回くらいカットするそう。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2019年 Vol.03

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:1957年型 VWタイプⅠ+1947年型 ロードマスター・トレーラー
オーナー:宮田貴士
取材協力:Hair Factory Natural Style、VANNUYS AUTOMOTIVE

文 / 桜井徹 写真 / 柳田由人

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