【Do Sports!】アメリカの小さなビーチタウンにちょい古めなニッポン軽トラが!?

旧車軽トラがアメリカの公道を爆走!

       
「軽トラがUS西海岸の地を走っている」編集部にそんな情報が舞い込んできたのは、昨年の夏。軽トラがSUV的な扱いをされ始めたのは、日本でも最近のことなのに、カリフォルニアにそんなモノ好きがいるとは?そこで、かの地で話題の軽トラ乗りにコンタクトした。

サンタクルーズを駆けるジャパニーズミニトラック

 カリフォルニア州サンタクルーズは、サンフランシスコの約75マイル南東に位置する、小さなビーチタウンだ。サンタクルーズと言えば、1970年代に誕生した伝説的スケートボードブランドでも知られる場所だが、実は古くからサーフシティの名で親しまれている。そんな町でキャッチしたのが、なぜかチョイ古めなニッポンの軽トラを愛する人たち。当然右ハンドルで、アメリカには正規導入されていないレアものだ。なおアメリカの多くの州では製造から25年以上が経過した古いクルマは、ある一定の手続きを経れば、合法的に登録および公道走行が可能なのは、周知のとおりだ。

 2台の旧車アクティトラックをサーフトラックとして愛用するのは、アメリカ人クリエイターで、ライフスタイルブランド「ラウンドキャットレーシング」を主宰するクラーク・ソッパー。彼と軽トラとの出会いは古く、彼がまだ学生だった頃にさかのぼる。学校や農園など、アメリカの広大な施設では、昔からニッポンの軽トラが私有地内限定の作業車として重宝され、彼が通っていた学校にもやはり数台が配備されていた。当時デザインを学んでいたクラークは、軽トラと初めて遭遇した途端、そのミニマルなデザインと秀逸なパッケージングにすっかり惚れ込んでしまう。



 それから月日は過ぎ、今から10年ほど前に南米チリへサーフトリップに出かけたときのこと。そこでチリのローカルサーファーたちがこぞって軽トラをサーフトラックとして愛用している姿を目の当たりにする。すると長年抱いてきた軽トラへの想いが再燃し、帰国するや否や、この2台のTNアクティトラックを入手。丸型ヘッドライトをはじめとするレトロなデザインと、アメリカ人でも快適なビッグキャブの居住性が決め手となり、TNアクティを選択した。休日はサーファー仲間を乗せ、TNアクティでサンタクルーズのサーフスポットを巡るクラーク。



 行く先々で、アメリカ人には得体の知れないこの小さなトラック(笑)に、多くの人々が吸い寄せられるように集まるようで、その度に自然と会話が生まれ、徐々に軽トラコミュニティーが広がりつつあるそうだ。

【画像8枚】アメリカにとっては世にも珍しいホンダの旧車軽トラの詳細はコチラ!



>>1988年式TNアクティトラックには、Bajaレースからヒントを得た4連ルーフマウントフォグに加え、マニアライクなACクレージュ性10インチホイール(!)など、個性的なモディファイが施された。サイドのグラフィックスはクラークがデザインしたオリジナルで、自身のデザインスタジオである「HIGHBALL」の名があしらわれている。



>>内外ともにレトロなデザインが特徴的な1982年式TNアクティトラック。2スト550ccながら、サンタクルーズの自宅とサーフスポット、プラス仕事場であるデザインスタジオの間の近距離コミュートをこなすのには充分な性能。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2020年 Vol.07
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

PHOTO / Round Cat Racing

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