【森、山、海に暮らす】狩猟と趣味に全力を尽くす。これぞまさに理想の山暮らし!

猪を狩る山の暮らしと横ノリと

       
サーフィンやバックカントリーを愛する横ノリ男、小松慎司さん。そんな彼は自然とともに暮らすことを求め、熱海の山中に居を構えた。原木を集め、薪を割り、猪を捕えて食す。自然に囲まれた暮らしを満喫する家と、愛車JKラングラー。「山暮らし」を実践する、ライフスタイルを紹介しよう。

山中に建てた理想の家と、趣味を支えるジープのある生活

 家の前に停められたジープラングラー。現行型のひとつ前、JKと呼ばれるモデルで、今でも非常に人気の高いクルマだ。ラゲッジの荷物を見れば、乗り手の趣味が分かるが、本編の主人公、小松慎司さんにとって、このクルマはなくてはならない存在だ。なによりも、彼のライフスタイルには、ジープならではの走破性、悪路をものともしないタフネスさが必要だった。



 これまでサーフィン、バックカントリーなど、様々なフィールドへのトリップを繰り返してきた。その際、ストレスなく目的地へアプローチできることは、重要なポイントだ。必然としてのジープラングラー、というワケだ。

 そしてこのクルマの横に建つウッド張りのオシャレなお宅は、観光地として知られる熱海にある。海から続く丘陵地、いや山中と言ってもおかしくないが、そんな場所に谷を望むようにその家は建っている。片流れ屋根のダイナミックなスタイルに、美しいウッドウォールの外壁。一般住宅の外壁に使われることは珍しい、ユーカリの木材で覆われた家だ。回りの木々に溶け込むように佇み、屋根から突き出た煙突からは陽炎が立ち上がっている。



 小松さんファミリーがこの地にやってきたのは約3年前のこと。自然に囲まれた暮らしを求め、移住を決めた。もともと地元出身ではあるが、便利な市街地から、山の中へと居を移したのだ。街中の会社に出勤し、仕事が終われば山に戻る。そんな山の中に暮らす生活をスタートさせたのだ。

薪ストーブのあるリビングと裏庭では狩猟もする暮らし

 玄関の壁側にはサーフィンやスノーボードの板が並んでいる。さっとボードを取り出せることもあり、出勤する前に、近くのポイントで波をワンセット乗ることも多いとか。休日は玄関の叩きでストックされたボードを選びながら、その日の遊びメニューを頭の中に描く。それがソト遊びに出かける前の小松さん式のルーティーンだ。



 玄関とリビングの仕切りとなる壁には、大きなガラス窓が埋め込まれ、開放的な雰囲気を醸し出している。これは、奥さんの友紀子さんによるオーダーで、こだわった部分とか。リビング正面にはウッドデッキもあり、採光性も高く、柔らかな光が玄関まで届くようだ。リビングまで進むと、炎の揺れる暖炉が見える。ちなみにこの暖炉はクッキング兼用で、上部では、この日のランチとなったパンを焼いたり、シチューを煮込んだり。下部はオーブンになっていて、この日は娘さんと一緒にクッキーも焼いていた。 



 移住をきっかけに食生活も変わり、地元で採れた野菜を食べることが多くなった。旬の味を楽しめることでご家族も喜んでいる。そんな山暮らしの中で、小松さんが新たに始めたのは猪猟。ファンハンティングではなく、有害獣駆除としての狩猟で、自宅敷地内に箱罠を仕掛けている。もちろん狩猟免許は取得済みだ。捕らえた猪は小松家の食材となる。言ってみれば、地産地消であり、子供たちにとっては食育ともなる。これまでの街の生活では味わえなかった、自然と密接した暮らしだ。

 四季を感じ、命の大切さも知る山暮らし。そんな生活はこれからも続く。

【画像19枚】原木を集めて薪割り、そして猪を狩る狩猟、山暮らしの理想のカタチはずばりこの事!詳細はコチラ!



>>家の横にあるパーキングスペースを抜けると、バックヤードが広がっている。奥の谷側までが敷地で、耕作にも挑戦したことがあるそうだ。平坦な場所は木々を切り倒して開拓。薪割りしたりする作業スペースとして使っている。箱罠を使った猪の捕獲も、このエリアで行われている。



>>捕まえた猪は知り合いのお宅で捌き、小松家の食卓に並ぶ。これはリブステーキ。ジビエ肉は匂いがきついと思っている方もいると思うが、新鮮かつ上手に裁かれた猪肉は、まったく臭みもクセもなく、美味しい。

初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2020年 Vol.07
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:2018年型 Jeep Wrangler アンリミテッド

文 / 渡辺圭史 写真 / 瓜生真

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