【Overland Trip】ワイルドな旅を実現するOVERLANDスタイル。目的地は砂漠の州立公園!

Overland Trip

       
オーバーランダーの注目度が上昇しているのは、直前の特集でもお伝えしたとおり。ここではそんな旅のスタイルに夢中になった人物、水野さん&そのファミリーをフィーチャー。カリフォルニア在住、水野ファミリーによる週末のミニ・アドベンチャーをご紹介しよう。

オーバーランダーが世界的ブーム そして、US的ファミリーキャンプ

 ここ最近、急激に盛り上がりを見せているオーバーランド・シーン。英語のOVERLANDを直訳すれば、“陸上の”とか“陸路の”とかといった意味で、OVERLANDと名詞になれば、“移動する人、旅する人”のようなイメージ。基本的には移動そのものが本質で、移動する人、クルマということになる。ここには多分に“冒険”的な意味合いが含まれており、言ってみれば“大陸横断”的車両がオーバーランダー、という認識でよいだろう。その手のもので一般的に認知度が高いのが、かつて行われていたラリーレイド「キャメルトロフイー」。そういったものを思い浮かべてもらえれば、オーバーランドが何であるのかは、すぐ理解できるはずだ。

 ちなみにここ数年は、北米のマーケットでも“オーバーランド”という概念が急速に浸透しており、ルーフラックやテントを装備する架装がもてはやされている。これは前段で紹介したラリーとかの文脈ではなく、世界的なアウトドアブーム、キャンプブームを背景としたものだ。今、アウトドアをバックグラウンドとするクルマ市場では、オーバーランダーが隆盛期。その余波は日本にも到達し、今後の“アウトドア”的クルマ市場は、それらに影響を受けたものによって、加速度的に埋め尽くされていくはずだ。

 だいぶ前置きが長くなったが、ここではカリフォルニア在住の水野さんのファミリー・トリップに肉薄。彼の地でクルマ関連のエクスポーター(アメリカンインテイク社)をしているだけに、前述した流れを十分に理解しており、現在はオーバーランド・スタイルのキャンプを家族で楽しんでいる。愛車はいかにもアメリカ的選択であるフルサイズ・ピックアップ、トヨタ・タンドラ。今回取材班は、彼らのオーバーランド・トリップに随行した。



 日本では体験できない、大きく広がるカリフォルニアの景色を舞台とした、ファミリーキャンプをご覧あれ。

アドベンチャー感、それが醍醐味


 カリフォルニアはトーランスという街に住んでいる水野さん。LAX(ロサンゼルス国際空港)から30分ほど南下したこの街で、クルマ関連のエクスポーターを生業とする彼は、元来キャンプ好き。アメリカ移住後は、オーバーランド・スタイルのキャンプにハマった人物で、愛車はトヨタ・タンドラTRDオフロードパッケージ。アメリカの荒野を走るには最適なモデルだ。一般的にイメージされるキャンプと、オーバーランダーでのキャンプの違いは“アドベンチャー”的要素。走破性のあるクルマにテントを取り付け、道なき道を行くことで、通常のキャンプでは味わえないダイナミック感を味わえるのが、その真骨頂だ。



 今回、トーランスから目指したのはアンザボレゴ・デザートパーク、距離にして200マイル、休憩時間含めて5時間ほどのミニトリップだが、十分“アドベンチャー”感が得られる行程だ。目的地のアンザボレゴ・デザートパークは、サンディエゴ郡とインペリアル郡、リバーサイド郡にまたがる大公園。野営可能なエリアがあるため、今回のキャンプ地に選ばれた。



 ちなみに砂漠でのキャンプは冬がメイン。夏は暑過ぎて危険だ。今回のキャンプは11月だが、昼間は30度超え、夜は11度と寒暖差が激しいので、しっかりとした寝袋が必須となる。また、砂漠という環境上、方角を見失ったりすれば水不足、燃料不足などから生死を分けるような状況に追い込まれる可能性もある。不測の事態を想定し、無線機や家族間で使えるトランシーバーの携行など、装備は万全にしたい。



 かなりハードな話に聞こえるが、その引き換えに得られる体験や美しい景観は、舗装路しか走れないキャンピングカーやキャンピングトレーラーでは、決して味わえない唯一無二のもの。



旅の魅力は、写真から感じ取って頂ければ、これ幸い。

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>>今回のCalトリップに使った車両は水野さんの愛車、タンドラ。北米トヨタが販売するフルサイズ・ピックアップトラックだ。このような旅をするからには4駆は必須条件。道なき道を行き、アドベンチャー感を味わうには最適なモデルだ。クルーマックスと呼ばれる、後部座席が広いダブルキャブだから、ファミリーにもピッタリ。後部座席でも狭苦しいことはない。



>>州により法律が異なるが、カリフォルニアでは許可された場所でないと、車中泊は違法。今回のキャンプ地は、州立公園内の野営が許されたエリアだ。ベッドのサイドデカールからわかる通り、タンドラはTRDオフロードパッケージ。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2019年 Vol.03

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:2017年型 トヨタ・タンドラTRDオフロード クルーマックスリミテッド
協力:American Intake

文 / 桜井徹 写真 / Yasunari Akira

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