「ダットジラ」とよばれたタダモノではない510|BRE Datzilla 510 Vol.2

フロントグリルのBREエンブレムには、71〜72年のトランザムレースで、2連覇を果たしたことが刻まれている。

       
北米のレースで5年連続クラスチャンピオンを獲得する活躍を見せたBRE 。

 しかし、そんなBREも、73年、日産が北米でのレース活動を縮小すると、レースシーンから一切姿を消し、ハンググライダービジネスへと転身。世界的な成功を収めた後、ブランドを売却し、再びクルマの世界へ戻り、デザイナー/エンジニアとして、カレッジでの講義活動やメディアでの執筆活動などを行ってきた。

 現在は、ラスベガスに自身のショップをオープンさせ、お気に入りのダットサン510や240Z、シェルビー・デイトナなどのレストアやチューニングを趣味的に行っている。

 さて、そんな彼の愛車が、Datzillaと名付けられた、このダットサン510だ。アメリカでは、何かすごいものを「ゴジラ」に例えて言うことが多いのだが、ダットジラとは、まさにそのゴジラとダットサンを組み合わせた造語。つまり、タダモノではない510というわけだ。


ピート・ブロックの愛車である510のエンジンルームには、シボレーのV8エンジンを搭載。かつて彼が在籍したキャロル・シェルビーのコブラと同様の手法と言える。バルクヘッドをカットしフロントミッドに搭載されていることに注目。


バルクヘッドに並んで取り付けられているのは、ブレーキとクラッチのマスターシリンダー。レーシングカー用のパーツを使ってコンパクトにマウントし、エンジンルームをすっきりとした造りにしている。パフォーマンスだけでなく、視覚を整えるのもチューニングの重要な要素だ。



センターパネルには、追加メーターをセット。最上段の中央は時計。2段目以降は、左から時計回りに、水温、燃圧、油圧、油温、負圧、燃料、電圧の各メーターが並ぶ。



ミッションは5速MT。シフトパターンは通常のHパターンだが、ショートストローク化されている。簡素化されてはいるが、センターコンソールも造られていて、レーシングカーではなく、あくまでもストリートカーとして製作されていることがうかがえる。



Nostalgic SPEED vol.003 2014年 3月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text : Nostalgic SPEED/編集部 Photo : Akio Hirano/平野 陽

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