知ってる? オープンボディやTバールーフ付ワゴンボディのピアッツァ〈80Times〉旧車の疑問にズバリ答える ! ハチマル的Q & A Part 7

87年に発表されたピアッツァ・スペーススポーツ。Bピラーをタルガトップ風に処理し、洒落たTバールーフとなっており、ガルウイング状に開閉する。都会的なワゴンスタイルとしていた。

1980~90年代にかけては日本の自動車史のなかでも希にみる発展を遂げ、既存のシリーズも新型車も高性能であり贅を尽くした設定のモデルが多数登場する。それから40年近くが経過し、令和の今となってヤングタイマーとして人気車となっている。そんな時代のクルマたちを快適に維持していくための情報源として、「ハチマルヒーロー」誌の読者から寄せられた質問をピックアップして、自動車評論家の片岡英明さんがわかりやすく解説。旧車の疑問にバッチリお答えする!!


Q
ピアッツァをベースにしたショーカーについて教えてください。エアロデザインを追求したコンセプトカーが多いように思えるのですが?
千葉県/竹村嘉夫さん


A
 ご存知のように、プロトタイプのときに「アッソ・ディー・フィオーリ」を名乗ったピアッツァは、いすゞ117クーペの後継として81年6月にデビューした。デザインを手掛けたのは、老舗のイタルデザインを率いるジョルジュエット・ジウジアーロだった。

 最初のショーカーは、ピアッツァが発売された81年秋の第24回東京モーターショーでお披露目されている。フラットなデザインのホイールや14インチの60扁平タイヤを履き、バンパーから下をツートーンに塗り分けた「ピアッツァEXシティライフ」だ。

 83年に開催された第25回東京モーターショーには、エアロチューンを施した「ピアッツァAD」が出品された。フロントバンパーはエアダム一体デザインで、ハッチゲート両端から続くブラック仕上げのスポイラーやフラットタイプのホイールも空力性能の向上を意識したデザインだった。また、コンシールドタイプのフロントマスクを採用し、ヘッドランプとグリルをアクリルのスモークカバーで覆っている。このフロントマスクを用い、ルーフを取り払ったのが85年の第26回東京モーターショーに展示された「ピアッツァ・コンバーチブル」だ。輸出仕様のインパルスを粋なオープンカーに仕立てていた。

ピアッツァ・コンバーチブル
85年の東京モーターショーでお披露目されたピアッツァ・コンバーチブル。83年に発表されたピアッツァADのエアロボディをベースにオープンエア化されたモデル。かなり洗練されたデザインで、市販化が期待された。


 扉の作品は87年の第27回東京モーターショーでお披露目された、「ピアッツァ・スペーススポーツ」。ハンドリングbyロータスとともに参考出品している。Bピラーをタルガトップ風に処理し、洒落たTバールーフはガルウイング状に開閉できる。このショーカーもスモークカバーが付けられ、都会的なムードのスポーツワゴンだった。市販が期待されたが、これもショーカーで終っている。


掲載:ハチマルヒーロー 2009年12月号 Vol.12(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Hideaki Kataoka/片岡英明 

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