ガワはなんの変哲もない510ブルーバードなのに中身は強烈なゼロヨンマシン プロストリートスタイルの カスタム510 ブルーバード1

あらゆるクルマ文化が成熟しているアメリカにおいて、ホットロッド文化の中心を成すドラッグレースは、常に高い人気を誇っている。どんなクルマでも参加できる気軽さや、レースとしての奥深さなど、その魅力は数多くあるが、何よりドラッグレースに特化したマシンのフォルムがカッコ良い事もその理由のひとつだろう。
 ドラッグマシンに求められるのは、エンジンが発するパワーを効率的に路面に伝え、直線コースを安定して真っ直ぐ走ること。つまり後輪(駆動輪)はグリップ向上のために極力太くなり、前輪は走行抵抗を減らすために細くなり、空気抵抗を減らすために車高は極限まで低くなる。


リアセクションのフロアは切開され、サスペンションごと新造された。コンペティション・エンジニアリング製の4リンクラダーバーを移植し、デフは10インチのナロー化。切開したフロアには新たに製作したアルミパネルを被せられるが、オーナーはここを見せたままクルーズするのが好きなのだとか(その後の掃除は大変!)。

 太い後輪は車体外側にはみ出させると空気抵抗になるので、アクスルを切り詰めてボディの内側に入れる。市販車のストックボディをベースとしてドラッグマシンに仕立てると、およそこういう形になり、こうしたフォルムのマシンが参戦するドラッグレースのプロクラスカテゴリー「プロストック」は、人気の高いレースとなっている。


ホイールはビレット・スペシャリティーズのComp5

 そしてアメリカンカスタムの世界には、そんなプロストックマシンのカッコ良さと機能性を、ストリートマシンに落とし込んだ「プロストリート」と呼ばれるジャンルがある。マシンのコンセプトは前述したとおりだが、あくまでストリートカーとしての内装を持ち、エンジンも町乗りができるスペックの物を積むのがお約束だ。 



前輪は「フロントランナー」と呼ばれる細いサイズを履く。

掲載:ノスタルジックスピード 2013年7月 Vol.001 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo:AKIO HIRANO/平野陽

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