根っからのクルマ好き。単なるGT‐Rオタク|NISMOレーシングドライバー 松田次生|1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1

「高齢のために大切に乗り続けてくれるひとに譲りたい」という前オーナーから、松田さんの元へとやってきたハコスカGT‐R

       
「最強のGT–R使い」。松田次生のほかに、そうした賛美を与えられるのにふさわしいレーシングドライバーは見当たらない。国内最高峰のスーパーGTではNISMOのエースナンバーである23号車をドライブし、プライベートではハコスカGT–RやR35ニスモ、R33ニスモ400Rなどを所有する。まさに365日、GT–R浸けのライフスタイルを貫いている。その生きざまは、文句ナシのカッコよさだ。今回はそんな、松田次生の素顔に迫る。

【GT‐R伝説を継承する「R使い」の美学 1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1】

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「何事も突き詰めたくなる性格なんでしょうね。根っからのクルマ好き。単なるGT‐Rオタクですよ」
 そう笑うのは、NISMOのエースドライバー松田次生さん。彼が、プライベートで第2世代のGT‐Rをフルコンプリートしているのは、ファンの間では有名な話。しかし、ついにハコスカGT‐Rまで手に入れたのだから恐れ入る。手入れの行き届いた1972年式のKPGC10が新たな相棒だ。

 生粋のクルマ好きである彼は、もともと旧車にも興味を持っていたという。なにせハコスカのレンタカーを借りて、箱根へドライブに駆り出したこともあるほどだ。ただ、まさか自分が本物のRを所有するとは思わなかった。
 このハコスカGT‐Rは「高齢のために大切に乗り続けてくれるひとに譲りたい」という前オーナーから、松田さんの元へとやってきた。日産プリンスモータースポーツ室の紹介だったのだが、実は当初は譲り受けることにためらいもあった。松田さんほどのドライバーですら、「本当にキャブ車に乗れるのか? ちゃんと維持できるのか?」不安のほうが大きかったという。

>> 【画像41枚】フロントはMK63キャリパー、リアはアルフィンドラムのハコスカ。手に入れた後、車高調やテンションロッド、フロントのスタビライザーは内田モーターワークス製に交換。もっと硬くなるかと思ったが、乗り心地も決して悪くないそうだ



>> ソレックスキャブやエアクリーナーボックスも純正のまま。キャブ車特有の吸気サウンドもお気に入りだ。





>> S20型エンジンのヘッドは、最終仕様のK4。それまでクラックが入るなどのトラブルがあったため、素材が変更されている。エンジンのコンディションはいいが、今後のオーバーホール時期などを心配していた。


1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)


Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1665mm
全高 1370mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1370 / 1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1655mm
室内幅 1325mm
室内高 1110mm
車両重量 1100kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 tanθ 0.58
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 コイルスプリング式独立懸架ストラット / コイルスプリング式独立懸架セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 154万円


次記事に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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