人生は短くはないが、その間に所有し、乗れるクルマの数は決して多くない|NISMOレーシングドライバー 松田次生|2017年式 日産 GT-R NISMO Vol.1

新たな伝説を築く ニスモバージョンの真価

       
「最強のGT–R使い」。松田次生のほかに、そうした賛美を与えられるのにふさわしいレーシングドライバーは見当たらない。国内最高峰のスーパーGTではNISMOのエースナンバーである23号車をドライブし、プライベートではハコスカGT–RやR35ニスモ、R33ニスモ400Rなどを所有する。まさに365日、GT–R浸けのライフスタイルを貫いている。その生きざまは、文句ナシのカッコよさだ。今回はそんな、松田次生の素顔に迫る。

【GT‐R伝説を継承する「R使い」の美学  2017年式 日産 GT-R NISMO Vol.1】

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 人生は短くはないが、その間に所有し、乗れるクルマの数は決して多くない。そのため、クルマ好きならば愛車の選択は真摯に、一本筋の通ったものにしたいと思うのは自明の理といえる。松田さんの選択は、現時点ではやはりGT‐Rを選ぶことにほかならない。

「スカイラインやZなど、日産のスポーツカーはいろいろ乗ってきましたが、新車で手に入れたのは初めてですね」
 彼が新たに手に入れた2017年モデルのGT‐R NISMOは、バンパーをはじめとしたエクステリアのデザインに変更に加え、フロントにはカナード形状のアンダースポイラーを装着。これらの専用装備が見た目だけのハリボテじゃないことは、強化されたダウンフォースが証明している。

 エンジンは600psを発生し、足まわりはモード設定型電子制御式ショックアブソーバーの「ビルシュタイン・ダンプトロニック」が組み込まれるなど、まさにアルティメットなGT‐Rである。レーシングドライバーであり、自身もこれまでさまざまなスポーツカーを乗り継いできた松田さんにとっても、日産が持てる技術を惜しみなく注ぎ込んだこのモデルのインパクトは、やはり別格だったという。

>> 【画像41枚】トランクもカーボン製で、アルミ製に比べ重量が半分となるGT-R NISMOなど



>> 心臓部に収まるVR38DETT型エンジンは、GT3選手権で使用する高流量、大口径のターボチャージャーをはじめ、ニスモのノウハウや最新技術が採用された最強のパワーユニット。6速デュアルクラッチミッションが組み合わされる。






>> 熟練の匠によって精緻に組み上げられたエンジンには、匠の名前がアルミプレートに刻まれる。


2017年式 日産 GT-R NISMO(DBA-R35)


Specification 諸元
全長4490mm
全幅1895mm
全高1370mm
ホイールベース2780mm
トレッド前/後1600 / 1600mm
最低地上高110mm
室内長1730mm
室内幅1475mm
室内高1095mm
車両重量1740kg
乗車定員4名
最小回転半径5.7m
エンジン型式VR38DETT型
エンジン種類水冷V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量3.799cc
ボア×ストローク95.5×88.4mm
圧縮比9.0:1
最高出力600ps(441kW) / 6800rpm
最大トルク66.5kgf•m(652N-m) / 3600-5600rpm
トランスミッションGR6型デュアルクラッチ(ファイナルドライブ一体型トランスアクスル方式)
変速比1速 4.056 / 2速 2.301 / 3速 1.595 / 4速 1.248 / 5速 1.001 / 6速 0.796 / 後退 3.383
最終減速比3.700
燃料タンク容量74L
駆動方式4輪駆動
ステアリングギア形式電子制御パワーアシスト付ラック&ピニオン式
サスペンション前/後独立懸架ダブルウィッシュボーン式 / 独立懸架マルチリンク式
ブレーキ前後ともベンチレーテッドディスク式
タイヤ前/後255 / 40ZRF20(97Y) / 285 / 35ZRF20(100Y)
発売当価格1870万円

次記事に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

NISMOレーシングドライバー 松田次生(全6記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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