初めてワゴンを名乗ったスカイライン【1】5ナンバーの乗用車扱い。ルーフの長い5ドア車|1973年式 日産 スカイライン1800 ワゴン スポーティGL

リアハッチの木目シートには「Wagon」のエンブレムが付く

       
初めてワゴンを名乗ったスカイライン

【1973年式 日産 スカイライン1800 ワゴン スポーティGL Vol.1】

 スカイラインは、国産車の中で早くにステーションワゴンをボディバリエーションに加えたクルマだ。最初は2代目の50系で、1965年6月に1500エステートを発売。バンとボディを共用して外装や内装を豪華仕様としたもので、5ナンバーの乗用車扱いとなっていた。このエステートは3代目のC10系にも受け継がれ、1968年8月のフルモデルチェンジの時にラインナップ。エステート1500がカタログモデルとなっていた。1969年8月のマイナーチェンジではシリーズに1800が追加され、エステート1800も登場。当時のカタログには「1800ccでは国産唯一の本格的なエステート。4速フロア・シフトのスポーティ・ワゴンです」という文字が躍っていた。

 海外ではステーションワゴンというカテゴリーが、人員や荷物をたくさん載せられるクルマとして好まれていたが、当時の日本では「ルーフの長い5ドア車は商用車のバン」と思われがちで、その懸念を払拭してラインナップに加えていたスカイラインの志向は、世界に向いていたと言えるだろう。

 そして4代目のC110系が1972年9月に登場。この時初めて車名を「ワゴン」とした。リアクオーターをボディパネルで埋め、リアハッチに木目をあしらった印象的な外観で、乗用車としての存在感を一層アピールしていた。



>>【画像22枚】ワゴンボディの3面図や、オーナーがクルマ仲間から譲ってもらった純正ホイールキャップなどのディテール



>> フロントグリル中央にはスカイラインのSマークがあしらわれる。





>> リアクオーターパネルに装着された「Skyline Wagon」の専用エンブレム。下側のスリットは、エアアウトレットの機能も持っている。





>> オーナーの好みで購入した時の雰囲気をそのまま保っているエンジンルーム。バッテリーを保護・保温するための木製の箱も引き継いでいる。

1973年式 日産 スカイライン1800 ワゴン スポーティGL(WPC110)


SPECIFICATIONS 諸元
全長 4315mm
全幅 1625mm
全高 1405mm
ホイールベース 2515mm
トレッド前/後 1350 / 1340mm
最低地上高 165mm
車両重量 1045kg
乗車定員 5名
最高速度 165km / h
登坂能力 tanθ0.51
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 G18型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1815cc
ボア×ストローク 85×80mm
圧縮比 8.3:1
最高出力 105ps / 5600rpm
最大トルク 15.3kg-m / 3600rpm
燃料供給装置 ツーバレルキャブレター
燃料タンク容量 41L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 3.382 / 2速 2.013 / 3速 1.312 / 4速 1.000 / 後退 3.365
最終減速比 3.889
ステアリング型式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / リーフスプリング
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.15-14-4PR
発売当時価格 80.7万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン1800 ワゴン スポーティGL(全2記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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